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そして今日、お祖父様が帰ってきた。
毎週、いつも以上に気合の入ったディナーが並べられる。
「クロエ。最近の街はどうじゃ?」
『好調ですわよ。流行り病も落ち着いてきて、皆いきいきとしておりますわ。』
「それはそれは。クロエの祈りのお陰じゃな。」
『光栄でございますわ。お祖父様、外のこと、またお聞かせくださいませんこと?』
「ああ。もちろん。クロエは外が好きじゃな」
『ええ。』
だって、唯一知らないことだから。
なんて、言えるわけないけど。
夕食後、晩の祈りを捧げた後、お祖父様の話を聞いていた。
今回のお祖父様のお話も面白かった。
談話室にいるときは敬語をはずして、普通の祖父と孫みたいな空気になれる。
その時間が一番好き。
「そうじゃ。クロエもそろそろ結婚を考えなくてはいけない歳じゃろう」
『うん。でも、私お相手なんていないけど､､､』
「ああ。今回行った国の王族のご子息様方に縁談を持ち込まれたんだが、どうじゃ?興味はないか?」
今回行った国。
そこは昔からお祖父様と仲の良い国だ。
お祖父様の顔を立てるため私は快く了承した。
「そうか。会ってくれるか」
『うん。もちろん。お祖父様と仲の良い国なんだから、心配はいらないでしょう?』
「ああ。ただ、護衛はつけさせてくれ。」
まだ可愛い孫を心配する癖が治らなくてな。
お祖父様は申し訳無さそうに笑った。
そんなことない。
私はそのお祖父様の癖が大好き。
だって、お祖父様に心配されるほど光栄なことはない。
私は嬉しさを隠さずに笑った。
『それで、いつ会うの?』
「一ヶ月後じゃ。おなごには準備がかかるだろう」
『ふふっ。うん。ありがとう』
「ほら。もう遅い。もう寝なされ」
『うん。そうする。おやすみなさい。お祖父様』
「おやすみ。クロエ」
私は手燭でくらい渡り廊下を渡り、自室に入った。
私の自室には、お祖父様からのお土産がたくさん飾ってある。
中でも一番気に入ってるのは、異国の人形。
他の硬い人形と違って、柔らかい綿の入った人形。ぬいぐるみというらしい。
可愛らしくて、思わず抱きしめてしまいそう。
今日もらったお土産を棚に並べる。
そろそろ入らなくなりそうだ。
新しい棚をお願いしよう。
私は手燭をフッと消して、ベッドに入った。
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作者名：目覚まし | 作成日時：2023年7月17日 8時
