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「大丈夫ですか？」
そう声をかけてくれたのは
アルバイトの蓮くん。
大学4年生で、年下だけどしっかりしてて
ついつい、いつも頼ってしまう。
「？、全然大丈夫だよ」
「…ならいいんですけど。なんか、顔色わるい気がして。」
やさしいなぁ。心配してくれてる。
っていう気持ちと、
仕事中なのに気持ちを切り替えられない情けなさが
入り混じる。
「本当に大丈夫だから。でも、ありがとう。」
自分に元気がないと、気にしてくれる人がいる。
そんな小さな安心感に救われて
なんとかその日の仕事を終えた。
「Aちゃん、今日はもう上がっていいよ。」
締めの作業をしてると、店長が
「雨降りそうだし。今日傘持ってきてないって言ってたでしょ。」
「でも、仕事がまだ、」
「後はやっとくから。それに、今日体調悪かったでしょ。」
店長にもばれてる。本当に反省。
「すみません。じゃあ、お先に上がらせてもらいます。」
今日はもう帰って、お風呂に入って寝てしまおう。
明日からまた、やり直すんだ。
そう決めて、ずっと切りっぱなしだったスマホの電源を入れると
「…、…」
着信、亮くん。
数時間おきに、何度も。
「…なにを言いたいの。」
もう、ほっといてくれたらいいのに。
本当のことなんて、もう知ってるんだから。
名前を目にするのも、今はまだ辛くて
再び電源をきって
逃げるように、店を出た。
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作者名：憂 | 作成日時：2018年12月9日 23時
