＃８ ページ8
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昨夜、Aさんから聞いたことのない弱音を聞いたんだ。
"ずっと一人で寂しかったの。 最初は楽しかった仕事も今では辛くなってきたの… "
誰も傍にいない、って
毎日起きて仕事して寝るの繰り返しで、楽しいと思っていたQuizKnockの営業も辛くなってるって。
猫の姿の俺は何も出来なかった
Aさんが傍にいてと言うなら俺は喜んでその通りにする。
だって、ふくらＰでは出来ない事だから…
そうだったんだけど…
今俺はAさんを抱き締めている
辛いのをひた隠しにしてる君を野放しに出来なくて、つい後先も考えずにギュっと抱き締めた。
「…無理、してるでしょ？ 分かるんだ、Aさんのそんな辛そうな顔見てると。」
『…あのっ、ホントに大丈夫ですから…っ、それに誰かに見られたら、その、えっと…恥ずかしいです…』
いつ誰がここを通るか分からない
男女がオフィスで抱き合ってる現場を見たら、そりゃ恋愛に鈍い社長だってそういう風に思ってしまうだろうな。
別に伊沢に見られたってかまわないけど
だってあいつは俺の気持ちに気付いてるはずだから
だからあんなメッセージ送ってきたんだろうし。
俺の鼓動、君には聴こえてるかな？
冷静沈着なプロデューサーを演じてるけど、俺も普通の男の子だよ？
Aさんが俺の顔を見上げてくる
ごめんね？ 苦しかったよね？
好きなのに何も役に立てなくてごめんね。
せめてこれだけは言わせて？
「Aさんはひとりじゃないからね。」
そう言うと君はまた顔を隠してしまう。
俺の胸元の服を握りしめて啜り泣く。
今は誰も見てないから
強気にならなくて良いよ。
今夜また、君の所に帰るからね。
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続く (更新停止中)
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作者名：*ゆ う* | 作成日時：2022年6月12日 16時
