白猫プロデューサーは、恋愛対象外ですか？【fkr】 (ページ5)

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『お外行ったら危ないよ？ …でも昨日までお外に居たんだしそっちに行きたいよね。私は今日会議もあるから遅くなっちゃうし、たくやがこの家に帰ってくるか心配だよ… 』

Aさんは俺を外に放したらもう戻ってこないと思っているらしい。
そんなことは断じてない。
だって俺だもん。
猫の姿だけど東(工)大出身だもん。

俺は何とかしてこの部屋から脱出しなければならない。
タイムリミットは午前８時だ。
そして色々やっていたら７時になっていた。

Aさんはいつものスーツに着替えてメイクをしている。
生着替えを遠くからだけど見てしまった。
猫だからセーフだし。誰にも言わないからセーフだもん。
凝視してたとか誰も分かんないから大丈夫だし。

そんな事は後回しだ！
字が書けるならメモにメッセージを書いて伝えたい。尻文字で伝えられるならそうしてる。

今の白猫ふくらに出来ることと言えば、Aさんがドアを開けた瞬間にダッシュする！
もうこれしかない！！！

Aさんの支度が整い、物陰に隠れる俺。

『じゃあ行ってくるね、たくや』

( …その名前未だに慣れないなぁ… それより、勝負は一度だけ！行くぞ…！ )

靴を履いてドアを開けた。

『きゃっ！たくや！？』

クラウチングスタートを決めた俺はAさんの部屋からの脱出に成功。

( …また２０時になったら帰ってくるからね )

君の悲しそうな顔に後ろ髪を引かれながらも離れる事にした。

周りに誰もいない原っぱで足を止めて時間が来るのを待っていた。
暫くすると激しい頭痛に襲われた。

( …これが、元のカラダに戻る例の頭痛かもしれない…！ )

ドックンドックンと胸の奥が熱くなる…！
俺はそのまま意識を失った…

意識が戻り、ゆっくりと目を開ける。
自分の手を見ると人間の手に戻っていた。
元のカラダに戻った、という安心感もあるが逆に２０時になったらまた白猫になるんだろうかという不安が俺を襲う。

…脳内に語りかけてきた人って何者なんだよ…。
男性なのか女性なのか分からない、魔法使い？それも理解が出来ないけど。

Aさんの傍に居たいっていう俺の想いが強すぎて思いもよらぬ形で叶ってしまったんだろうか…
猫になって、一緒に過ごすというカタチに…

俺の姿は白猫になる前と同じ服装、そして持ち物もちゃんとあった。
一旦自分の家に行ってシャワー浴びて着替えをしてからオフィスに向かうか。

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