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いつの間にか私に跨っていたベラトリックスは地下牢から出てきたゴブリンのグリップフックを尋問していた
私は頭を少し上に動かして、奥に座っているドラコに視線を向けると彼は手を強く握りしめ耐えるように俯いていた
『…、…』
私は声にならない声でドラコの名を呼ぶと、聞こえるはずがないのに彼は弾けたように顔を上げた
勢いよくこちらを振り向き視線が交わった瞬間、ペンダントが一瞬光ったと同時に
"ドクン"
とまた鼓動が高鳴る
まるで"魂”のようだった
ド「っ…!」
私を見たドラコは今にも泣き出しそうな表情を浮かべていた
そんな彼を慰めるように力なく笑みを見せると『大丈夫』と心の中で呟いた
ﾍﾞﾗ「いいかい?最後にもう一度だけ聞くからね、ゴブリン…!!よーく、よぉーく考えてから答えるんだよ」
ｸﾞﾘ「何も知りません」
2人の口論は終わらず、ピクリとも体を動かすことができない私は会話に耳を傾けた
ﾍﾞﾗ「知らない?ちゃんと仕事してるのかい?…誰が私の金庫に入った?!誰が盗んだ!誰が…盗んだんだ…!!えぇ!?」
グリップフックの答えにまたも激怒し彼に詰め寄った
ｸﾞﾘ「最後に金庫を見た時は、剣はありました」
ﾍﾞﾗ「へぇ?じゃあ剣が勝手に歩いて出て行ったんだねぇ?」
ｸﾞﾘ「グリンゴッツより安全な場所はありません」
ﾍﾞﾗ「嘘をつけ!!」
そう言ってグリップフックの頬をナイフで切りつけた
ﾍﾞﾗ「運がよかったと思え、ゴブリン…!
こっちは…そうはいかないよ…」
グリップフックとの話が終わるとコツコツと足音を立ててベラトリックスはこちらに向かってくる
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作者名：柊ｼｭｳ（柊） | 作成日時：2023年10月23日 15時
