278 ページ45
ド「僕を支えていたのは君だったのかっ…」
静かに涙を流しながら私を見つめる
ドラコの涙を見るとどうしようもなく苦しくなる
このまま送り出そうと決めたのに、その決心が鈍る
私は痛いほど絞まる喉でか細く鳴いた
ド「A…君に触れたいよ…」
歪ませた表情に胸が締め付けられた
お互い顔を見れば、離れるのが辛くなることぐらい分かっているのに、私の意志とは反して足が一歩、また一歩と前に動く
ド「顔を見せてくれ…頼むっ」
絞り出すような声で懇願されてしまい、私はとうとう人の姿に戻ってしまった
ド「Aっ」
『ドラコ!』
私はたまらずドラコに抱きつくと、痛いほどキツく抱き締め返されて涙が溢れた
ド「どうか君に触れる事を許してほしい…」
そう囁いて私の首に顔を埋める
ド「本当は怖かった。こんな僕が触れていいわけがないと思っていた。でも気づけばいつも僕の傍にいてくれる君を見ると堪らなくなるんだ。どうしようもなく好きで…大好きで堪らないんだっ」
震える声からドラコの感情が痛いほど伝わってきた
『本当は姿を見せるつもりなかったのに…私、貴方の泣き顔に弱いのよ…っ』
せり上がる嗚咽を抑えてどうにか言葉を紡いだ
ド「こんな僕でごめん」
と消え入りそうな声で言うので顔をあげてドラコを見つめた
彼の頬を両手で包み込むと涙を指で拭い無理やり笑みを浮かべた
『もう泣かないで』
涙を流す私が言っても全く説得力はないが、これ以上苦しむ姿を見るのは耐えられなかった
顔をすり寄せれば引き合うようにドラコも顔を寄せた
私たちはコツンと額を寄せて至近距離で見つめ合う
ドラコも私の頬に手を添えると優しく撫でた
『離れるのはほんの一瞬よ。またすぐ会えるわ』
ド「あぁ…そうだな」
『大丈夫。何処にいても貴方のことを想っているわ』
私の言葉にまた静かに涙を流すドラコに優しく囁き慰め続けた
ド「僕はいつも甘えてばかりだ」
『お互い様よ』
と返すと少し笑みを見せてくれた
ド「君は僕の光だ」
私を愛おしそうに見つめながら何度も頬を撫でる
『私がいつまでも貴方を照らし続けるわ』
そう応えるとドラコは私の髪を耳にかけ、顔を少し傾けて近づいてくる
ド「僕も愛してるよ」
そう甘く囁いて私の唇にそっと口付けをした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊ｼｭｳ（柊）(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます。お待たせいたしました!私もドラコを思うと苦しいですが、その葛藤なども含めてとても好きです!楽しんで読んでいただければ幸いです! (10月19日 8時) (
レス) id: 2a0b252ff1 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 続編更新ありがとうございます！！とっても楽しみにしてました！！謎のプリンスも結構大好きです！！ドラコ格好良すぎです！！たくさん更新ありがとうございます！！早速読みます！！ (10月17日 0時) (レス) @page12 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊ｼｭｳ（柊） | 作成日時：2023年10月16日 13時
