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私は駆け寄りドラコの前で立ち止まると『ニャー』と高い声で鳴いた
その声に気づいたドラコは俯いていた顔をゆっくりあげると、瞳から溢れる涙が頬を伝う
私は膝に飛び乗りそのまま上半身に足を掛けて駆け登ると、頬を流れる涙をぺろぺろと舐めた
ドラコは溢れる涙を気にせず私を優しく持ち上げるとぎゅっと抱き締めた
ド「僕に全てがかかってるんだっ…」
声も体も震えていて、ドラコが背負わされているものやどうしようもない恐怖心、そして罪悪感が伝わってきた
ド「僕がやらなきゃ…僕の家族も…僕も殺されるっ…!…っ…やるしかないんだっ…!」
ドラコの悲痛の声に私は喉の奥をか細く鳴らした
ド「っ…殺したくない…」
優しいドラコにとってはあまりにも酷な話だ
無謀にも程がある
それを分かっていて命じたヴォルデモートに怒りがふつふつと湧きあがったと同時に、今までたった一人で恐怖や葛藤と戦っていた彼のことを考えると痛いほど心臓が締め付けられた
ﾄﾞ「誰か助けてくれよっ…Aっ…」
本当はここにいると伝えたい
『ニャー…』
私に助けを求めているのに今の私には返事をすることしか出来ない
私は未だに泣き続けるドラコの頬に顔を擦り寄せ、一生懸命慰めるように涙を舐めて拭い続けた
ドラコは気持ちが落ち着いたのか私をゆっくり離して膝の上に乗せた
ド「…泣いているのか…?」
私の瞳を見つめながらそう呟くと目元を指で拭った
ドラコの指につく水滴を見て、自分が泣いていることに気づいた
『ニャー』
感謝を伝えるように鳴くと少し笑みを見せてくれた
ド「ありがとう」
と私を撫でながら同じように感謝を述べた
ド「君を見ていると彼女を思い出すよ」
少し遠い目をするドラコにもう一度高い声で鳴くと私の頬を優しく包んで顔を擦り寄せた
ド「ここも、もう時期危険になる。君も何処か安全な場所に逃げてくれ。…分かったか?」
その言葉に実行する日が近いことを悟った
猫に対してもこんなに優しい彼がどうして望んでいない事をしなければならないのか
頭では分かっているのにそれが悔しくて悲しかった
私は返事をする代わりに目の前にある唇に自分の口を寄せてそっと触れた
その行動に少し驚いた表情を見せたがすぐに目を細めてお返しとばかりに私の額にキスを落とした
ド「元気で」
少し寂しそうな表情を浮かべながら私をそっと離す
『ニャー』
私は高い声で返事をして部屋の奥へと駆けていった
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柊ｼｭｳ（柊）(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます。お待たせいたしました!私もドラコを思うと苦しいですが、その葛藤なども含めてとても好きです!楽しんで読んでいただければ幸いです! (10月19日 8時) (
レス) id: 2a0b252ff1 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 続編更新ありがとうございます！！とっても楽しみにしてました！！謎のプリンスも結構大好きです！！ドラコ格好良すぎです！！たくさん更新ありがとうございます！！早速読みます！！ (10月17日 0時) (レス) @page12 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊ｼｭｳ（柊） | 作成日時：2023年10月16日 13時
