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ドラコはしばらく撫でていたが次第に表情を曇らせた
ド「なぁ…君には怖いものはあるか…?」
私の頬を撫でながらそう問いかける
ド「僕は全てが怖いよ…。どうしようもない臆病者なんだ」
と自嘲するように呟いた
彼のその様子に恐怖心が痛いほど伝わってきた
ド「僕はどうすればよかったと思う…」
と私の頬を両手で優しく包むと縋るように顔を擦り寄せた
その表情は迷子の子供のように今にも泣きだしそうなとても不安そうな表情だった
私も顔をすり寄せるとドラコの頬をチロチロと舐めた
ド「…慰めてくれるのか?」
『ニャー』
ド「不思議だな。君にはなんでも話せる気がするよ」
私はもう一度高い声で鳴くと耳をぴょこぴょこと動かした
ド「聞いてくれるのか?」
少し驚いた表情を浮かべたドラコに思いを伝えようと目を合わせてもう一度鳴いてみせた
するとドラコはひと呼吸おいて私を撫でながら静かに話し始めた
ド「…僕の父上がアズカバンに投獄されたんだ。理由はそうだな…任務に"失敗"したからだ。それで僕が代わりに命じられた。師を殺すことを。…でも僕は臆病だから誰かを殺すなんてこと、本当は出来ないんだ。それでもやらなきゃいけない。…そうじゃなきゃ、今まで築き上げてきた地位も…父上や母上の立場も何もかも失ってしまうんだ。
…僕のせいで」
私は静かに話を聞いていた
ド「助けなんか必要ないんだ。だってこんな僕を助けたいと思うやつなんて誰もいないだろ?それに、誰も分からないよ…僕の気持ちなんて…」
と悲しそうに話すが「でも」と何かを思い出したように少し微笑んだ
ド「彼女はきっと理解しようとしてくれるんだろうな。それで僕を本気で助けようとするんだ」
でもまたすぐに表情を曇らせた
ド「…こんな僕を知ったら彼女はどう思うだろう。軽蔑して離れて行くだろうか…。彼女の事を思えば離れた方がいいんだ。こんな僕なんかと一緒にいるべきじゃない…僕に彼女の傍に居る資格なんてないんだって何度も考えた。…でも彼女は僕にとって唯一の光で、愛おしくて、本当に───」
そこまで言ってドラコは自分の顔を隠すように両手で覆った
ド「だから失うのが怖いんだ」
とか細く言った声は震えていた
『ニャー』
私は慰めるように手を舐めると肩を震わせ声を押し殺すように泣いた
抱きしめてあげたいのに何も出来ないもどかしさがとても苦しかった
私は高い声で鳴きながら慰めるようにただひたすら舐め続けた
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柊ｼｭｳ（柊）(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます。お待たせいたしました!私もドラコを思うと苦しいですが、その葛藤なども含めてとても好きです!楽しんで読んでいただければ幸いです! (10月19日 8時) (
レス) id: 2a0b252ff1 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 続編更新ありがとうございます！！とっても楽しみにしてました！！謎のプリンスも結構大好きです！！ドラコ格好良すぎです！！たくさん更新ありがとうございます！！早速読みます！！ (10月17日 0時) (レス) @page12 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊ｼｭｳ（柊） | 作成日時：2023年10月16日 13時
