Archangels Ⅲ-Royal Blue Blood-【ハリーポッター】 (ページ34)

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私はパンをローブに隠すと大広間を出て暴れ柳へと向かった

館に着くとパンの匂いを嗅ぎ取ったのか尻尾を振りながら飛びついてきた

『わｯ!ふふ、ちょっと待ってよシリウス。今あげるから』

そう言ってパンを取り出すとシリウスの前に差し出した

『ごめんなさい。本当は別の食べ物をと思っているのだけれど、目立ってしまうから…』

落ち込む私を慰めるように頬を舐める

私はお返しに頭を撫でながらパンを食べる様子を眺めていた

『…私も動物もどきになりたいわ』

私は小さく呟いた

すると食べ終わったのか人の姿に戻ったシリウスが口を開いた

ｼﾘ「なぜそう思う」

『私、動物が心を開いてくれるのはすごく嬉しいの。でも人と動物の関係には限界があるでしょう?人を守るためには動物が犠牲にならなければならない…そうなってはいけないのよ。私の気持ちに応えてくれるだけではなく、私もあの子たちに応えたい。生き物ともっと分かり合えれば沢山の命を救えるかもしれない。罪なき命を守れるかもしれない』

話しながら自分が情けなくて泣きそうだった

『あの子は悪くないのにっ…』

するとそっと私を抱きしめてくれた

ｼﾘ「そうだな」

そう言って頭を優しく撫でる

ｼﾘ「動物思いなのは母譲りだな」

優しい言葉と温かさに私は静かに涙をこぼした

シリウスは私が落ち着くまでずっと頭を撫でてくれた

『ごめんなさい』

ｼﾘ「構わんよ。Aは私の娘みたいなものだ」

その言葉が嬉しくて私は顔が緩んだ

ｼﾘ「その内動物もどきのコツを教えてやろう。その様子じゃ何となく方法は分かっているんだろう?」

『本当に!?ありがとう!』

シリウスの言葉にすっかり元気を取り戻した私はネズミの事を話した

『この前話していたネズミだけど、いなくなってしまったみたいなの』

ｼﾘ「…そうか」

『タイミングが良すぎると思わない?』

考え込むシリウスにそう尋ねた

ｼﾘ「そうだな…本格的に動く必要がある」

シリウスは決心したような表情を浮かべた