Archangels Ⅲ-Royal Blue Blood-【ハリーポッター】 (ページ22)

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暴れ柳の前までくると私を待っていたかのように黒い犬はそこにいた

『…貴方が、シリウス・ブラックなのね』

片膝をついて目線を合わせると私は努めて静かに話しかけた

『私は貴方が悪い人だとは思えないの。何か困っていることがあるのでしょう?」

私の言葉に耳を傾けているのかただ私をじっと見つめていた

『…何かを探しているのでしょう?』

すると私に近づきローブを咥えると暴れ柳の方へと優しく引っ張った

すぐに離して歩いていくのでその後を追った

暴れ柳は襲ってくることなく寧ろ歓迎しているかのように枝を横に揺らした

根元のウロに入り進んでいくと屋敷のような空間に出た

ここは叫びの館だった

黒い犬は私から少し距離を取ると

みるみる姿を変え、人に変わった

そこに立っていたのはやはりシリウス・ブラックだった

ｼﾘ「君は私が怖くないのか」

『優しい目をしている貴方をなぜ怖がるんです?』

ｼﾘ「不思議だな。君の瞳を見ていると全てを受け入れくれるような気がする」

噂は所詮噂に過ぎない

自分の目で見て接していれば分かる

世間から恐れられているような悪では決してなかった

『私はA・ミカエルと申します』

私の名を聞いて驚いた表情をした

ｼﾘ「…父はアンジェロか?」

『はい。父をご存知なんですね』

すると何かに納得したのかとても優しい笑みを浮かべた

ｼﾘ「君の優しさはアンジェロそっくりだな」

それからは父と母との関係を話してくれた

いつも優しくどんな悪戯をしても笑って許してくれる仏のような人たちで

そしてどんな人にも寄り添い守ろうとしてくれる人たちだったと