4話 ページ5
『…ニュートは…寝ないの?』
ぽつりと尋ねられたその言葉に僕も視線を前に向けると少し考えたフリをして
N「うーん…もう少しここにいるよ…」
『そっか………』
Aの少し嬉しそうな声色に安堵し、僕もまた背もたれに寄りかかり、僕達は心地よい静寂の中すっかり夢の世界へと落ちていった二フラーの寝息を感じていた
『…テディは温かいねぇ……』
しばらくして、Aはおもむろに口を開いた
それは囁くような全身の力が抜けているようなそんな声だった
N「眠い…?」
Aの顔を覗くと重たい瞼に抗うようにゆっくりと瞬きをしていた
二フラーの体温を感じて安心しているのかとても眠そうだ
『…ぅーん……』
N「部屋に───」
行こうと言いかけたが
『……1人の…夜が……怖く…て………』
と微睡みの中、そう静かに呟くので代わりに肩が当たるまで距離を詰めて座り直した
これがAなりの精一杯の甘えなのだろう
動かす力もなくただ二フラーに添えられているだけの手にそっと自分の手を重ねた
N「…僕がいるよ…」
この声が聞こえたかは分からないけど、コツんと肩に重みを感じた
そこに視線を落とすと規則正しい息がこぼれていた
心做しか顔色も良くなっている気がしてほっと胸を撫で下ろした
N「おやすみ…」
そっと頭にキスを落とし、自分の頭を擦り寄せる
僕もだんだんと眠気が襲ってきてAの温もりを感じながら頭を預けるように意識を手放した
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作者名:柊シュウ(柊) | 作成日時:2023年8月21日 15時