consoler【ファンタスティックビースト】 (ページ3)

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２話ページ3

夜も深けている中、なるべく音を立てないように静かに歩いているとリビングの方から小さな話し声が聞こえた

ｷｭｲ

『…テディ?』

僕はゆっくり近づく

『また出てきちゃったの?ニュートに怒られるよ?ほら、おいで』

2人がけのソファーに座っていたAは、くすっと嬉しそうな声色でそう呼びかけ、優しく包み持ち上げるとゆっくり膝の上に乗せた

N「…A?」

『っニュート?』

Aは突然の僕の声に驚いた顔をした
それもそのはず、急に声をかけたのもあるが最近は文字通り執筆で篭っていたのだから顔を合わせるとは思わなかったのだろう

N「ごめん、驚かせるつもりは…」

『大丈夫』

と焦る僕を見て笑いながら答えた

N「…こんな時間にどうしたの?」

Aの隣に座りながら問いかけると『ニュートこそどうしたの?』と質問を質問で返されてしまった

N「…僕は、ちょっと…原稿を…」

『もしかして何時もこんな時間まで書いてるの?』

と怪訝そうな顔で言うので

N「ち、違うよ!今日はたまたま、たまたまで…」

『そう…いつも時間を忘れるんだから気をつけてよ』

急いで弁解するとAは少しほっとした顔をした

N「そういえば二フラーが走っていくから、てっきり光るものを探しに行ったのかと思っていたけど…」

とちらっと二フラーを見れば、
僕の存在などお構い無しに構ってほしそうにAの太腿に背中をすりすり擦り付けてお腹を見せていた
Aはそんな二フラーを愛おしそうに見つめると、優しく撫で始めた

『…ここにいると、今みたいに来てくれて、いつも相手をしてくれるの…
なんで私が居るって分かるのかなー…野生の勘?』

『ねぇ?テディ?』と少し悪戯な表情でお腹を擽りながら二フラーに問いかけている
その表情はどこか嬉しそうだ

N「…いつも…?」

ということはこの時間にここ居る日が今日だけではないということだ

『あ、いやこの子は私を心配してくれているだけで…だから怒らないであげて』

Aは僕の呟きに一瞬固まったかと思うと焦った表情をして二フラーを隠すように抱き締めた

N「あー違う…いや違わないけど…
そういうことじゃなくて…Aのことだよ…」

『…私…?』

N「眠れないの…?」

『……』

核心を突かれたかのような表情に、本当に眠れていないのだろうということが分かった