恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ5)

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■恋愛事情…105 ページ5

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あ「大貴先輩……」

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大貴「ん?」

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あ「私、知ってるんだよ。伊吹先輩が付き合ってたこと。」

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自分で涙を拭いながら顔をあげ、そう言うと

大貴先輩の指先が私の頬を滑った。

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大貴「黙ってて、ごめん……な。

でも……Aの悲しい顔見たくなかったんだよ。」

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私と違って涙は一粒も零れていないけれど

大貴先輩の方がよっぽど悲しそうな表情をしていて、

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あ「大貴先輩の方が泣きそうだよ?」

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いつも私にやってくるようにほっぺをきゅっと抓った。

そうすると、いてぇとかふざけんな、

とは言わなくて、

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大貴「A……ずりぃよ。」

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何て言ってきて、そっと……

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優しく唇が優しく塞がれた。

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何が起きたか分からなくて

キスされたことがようやくわかって。

冗談かな、なんて思ったけど……

唇を離した後の俺様先輩の表情は

未だ悲しげで、だけど眼差しは真剣で。

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大貴「やっぱりさ、好きなﾔﾂの恋……

応援何てできねぇよ。」

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あ「えっ……」

大貴「鈍感すぎ、Aちゃん。」

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俺様先輩のおでこが肩にぶつかり、

そして体重がのしかかってくる。

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だけど、私の体を離そうとはしなくて

もう一度顔をあげると……

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また唇が重なった。

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大貴「宏太よりずっと前から……すげぇ好きだった。」

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