恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ4)

今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:285,793 hit

■恋愛事情…104 ページ4

＊

＊

＊

でも、掴まれた手首に痛みは走らなくて。

優しく掴まれた手首の次は肩が抱き寄せられた。

・

大貴「なーに、女の子同士で話しちゃってんのかな?」

「大貴、先輩……」

・

大貴「あれれ、なーんかAちゃんの

ほっぺが赤い気がするんだけど気のせい?」

・

保健センターに行ったはずなのに

大貴先輩がなぜか私の横にいて、

口調はいつもと変わらないけれど

冷たい目で女の子たちを見ていた。

・

大貴「俺、あの時言ったよね。

今度、Aちゃんに手を出したら許さないって。」

・

ちゃんと手当てはしてもらったようで

腕には絆創膏が貼られていて、

会話をしながらも私が叩かれた

ほっぺを手の平で優しく包み込んで。

・

大貴「伊吹の話、持ち出すのはいいけどさ

この子は宏太が選んだの。文句あるならそっちにいいな。」

・

女の子たちはその言葉に何も言えなくなって、

私よりも先に教室を出て行ってしまった。

・

大貴「せっかくさっき怪我しないで済んだのに

ぶたれちゃって……」

・

あ「うん、でも大丈夫!

ほら、どこも怪我はしてないし……」

・

・

大貴「でも、色々傷ついただろ?」

・

いつも意地悪な先輩が優しいと気が狂う。

悲しげな瞳で私を見つめると

ぎゅっと抱き寄せて。

・

弱々しい声で“よかった”何て言うから

私も安心して涙がぽろっと零れてしまった。

＊

＊

＊