■恋愛事情…126 ページ26
*
*
*
大貴先輩とはあれから言葉を交わすことは無く
宏太先輩との映画館デートの当日を迎えた。
・
大貴先輩の怪我はいつごろ治るんだろう。
このあと大会も控えてるのに、
私のせいで出られなくなったら……
考えだしたらきりがなくて、寝付くまでに時間がかった。
でも、瞼は腫れることなく、顔もむくむことも無く。
けれでも、何となくメイクのノリが悪くて
前もって用意していたワンピとジャケットを
羽織って全身鏡に映った自分はイマイチだった。
・
「Aー、そろそろ時間なんじゃないの?」
あ「うん、今でるよ。」
・
鞄を肩にかけて、宏太先輩が来る前に家を出る。
けれども、すでに近くまで来ていて
私は小走りで駆け寄った。
・
あ「おはようございます。」
宏太「ふふ、おはよう……って、寝不足?」
・
指先で撫でられる瞼。
自分では腫れてないと思ったんだけど……
・
宏太「それとも……泣いた?」
・
単細胞の私のことは分かりやすいのかな?
大貴先輩も宏太先輩もすぐに変化に気づく。
・
あ「泣いてませんよ。泣くこと何て……ないです。
だって、今日は宏太先輩とデートなんですよ?」
・
“明日のデート楽しんで来いよ”
・
頭を過ぎる大貴先輩の言葉。
・
宏太先輩とのデートの集中しなければいけないのに
昨日のあの悲しげな表情と冷たい眼差しを思い出すと
胸がキリキリ痛んで、
・
私に微笑む王子様の姿がゆらゆら揺れている気がした。
*
*
*
354人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2014年1月28日 14時