恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ20)

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■恋愛事情…120 ページ20

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伊吹先輩との話が終わった後

体育館に行くと宏太先輩は一人ストレッチをしていた。

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大貴先輩の姿は無く、スマホを取り出し

もう一度確認すると、その瞬間にLINEが一件。

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“連絡遅れてごめん、今日は用事があって休む”

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短文で来て、おそらく宏太先輩にも

同じタイミングで送ったのかな。

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スマホを手に取っていて、

私に気づくとそれを近くに置き、手招いた。

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宏太「大貴、来ないみたい。

もう、今日部活無しにしよっか。」

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絆創膏は取れていたけれど

口元にはやっぱり傷が残っていた。

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宏太「A?」

あ「あ、ごめんなさい。部活……どうしましょうか。」

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宏太「大貴がいないんじゃ……色々確認できないし。

うん、やっぱり……今日は無しにしよう。」

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私が傷のことを聞いたとき、変なお客さんに

絡まれた時のものと言っていたのに、

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どうして正直に大貴先輩との喧嘩でと

言わなかったのだろう。

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私が気にすると思ったからなのか?

それとも、もっと他に理由があるのかな。

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優しい宏太先輩のことは理解しているつもり。

きっと、伊吹先輩じゃなくても

他の女の子でも助けたのは分かってる。

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分かっているんだけれど、

さっきの伊吹先輩を思い出すと……

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胸を鷲掴みにされたようにぎゅーっと苦しくなるんだ。

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宏太「ねぇ、A。」

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大貴先輩が来なかったから、反対方向だけれど

宏太先輩が一緒に帰ってくれて。

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宏太「日曜日のことなんだけどね。

11時に駅前に集合でいいかな?」

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家に入る前、二人で向き合った。

瞳よりも傷口を見てしまうのは、

伊吹先輩の言葉が気になってるからなのか。

それとも、私のせいで喧嘩をさせてしまったから?

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宏太「あ、やっぱり家にお迎えに上がろうかな。」

あ「えっ、そんな……申し訳ないですよ!

駅前で大丈夫です!」

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