■恋愛事情…118 ページ18
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楽しい学祭はあっという間に終わって
翌週の始めは片付けで授業が無かったのでラッキーだった。
だけど、学祭の準備期間を含めて
勉強と離れていた時間が長すぎて、
慣れていたはずの1コマ90分の授業に集中できなくなっていた。
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スケジュール帳を開くと次の日曜日がハートで囲まれ、
“映画館デート”という文字。
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集中力が切れた頭で、何着てこうとか
どんな髪型にしようかを考え始めて、
その延長で、王子様のことを考え始めた。
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宏太先輩はどんな映画に誘ってくれたんだろう?
宏太先輩はどんな服装で来るんだろう?
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頭の中を講義でいっぱいでしなければならないのに
王子様のことでいっぱいになる。
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いつもならここで“口元緩んでんぞ”何て言葉が
来るはずなのに、今日は俺様先輩の姿が無い。
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疲れて休んでいるのか、
それとも、他に理由があるのかな。
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この授業の最初にLINEを送ったけれど未だ返ってきてなくて、
部活の時間になっても何もレスは無く
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既読の文字すらも画面に表示されなかった。
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伊吹「Aちゃん、今日……大貴は休み?」
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金曜日3コマ。
週のラストの講義が終わって、教科書を鞄に詰めていると
伊吹先輩が私のところに来た。
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あ「あっ、ハイ……理由は分からないんですけど。」
伊吹「そっか。休み……何だね。」
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伊吹先輩が髪を耳に掛けながら気まずそうな表情をする。
見逃すこと何て、見なかったことにするなんてできなくて……
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あ「伊吹先輩?」
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何かがあった、そうわかってるのに
聞いてしまうのはどうしてなんだろう。
知らないままにすればいいのに、
知らなくても何不自由しないのに……。
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伊吹「……私のせいかもしれない。ごめんね。」
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伊吹先輩が可愛すぎて、綺麗すぎて。
心がぎゅーっとまた苦しくなって
心の中で黒いものが渦巻いている感じがした。
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2014年1月28日 14時