恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ15)

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■恋愛事情…115 ページ15

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結月「大貴先輩、何の用事なんだろうね。」

あ「んー……ね。私も分かんない。全然分かんない。」

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模擬店で買ったチョコバナナを頬張りつつ

グランドフィナーレが行われる大講堂の広場に敷かれた

ブルーシートに二人で座った。

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グランドフィナーレは学祭の締めだから

皆が集まるため場所取りが欠かせない。

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結月「私ね、知ってるんだ。」

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ダンス部の出番を待ち望む声の中

隣の結月がぽつりと呟いた。

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あ「知ってるって……」

結月「大貴先輩がAを好きなことだよ。」

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あ「えっ!?大貴先輩、結月に相談してたの?」

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結月「んー、相談って言うか……

Aが宏太先輩と付き合った直後だったかな。

私と偶然会った時にぼやいてたんだよね。」

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あ「ぼやいて、た?」

結月「うん。無理に笑顔は作りながらね……

女の子って王子様が好きだよね、って。

それ聞いたとき、確信したんだぁ。」

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それから、二人が出てくる間に

結月からたくさんのことを聞いた。

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“大貴先輩、女の子にはモテるけどさ……不器用なんだよ”

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“まぁ、それはAの前だけだけどね”

“Aに意地悪しちゃうのはそのせい”

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“それにその意地悪にもちゃんと意味あるんだよ?”

“ほら、たまにパシられてた時あったでしょ”

“あれ、近くでAの悪口言ってる人に気づいたから”

“Aに女の子の妬み満載の悪口を

聞かせたくなかったからなんだよ?”

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“中、高時代もAのこと悪く言う人いたら

今みたいにきつく言ってさ……”

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結月「愛されてんね、A。」

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不器用すぎるよ。

不器用すぎて、結月に言われなくちゃ知らないままだったよ。

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女の子の歓声がワーッと上がると

王子様と俺様先輩が登場した。

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宏太「学祭、最後まで盛り上がっていきましょー!」

大貴「最後までテンションも声も切らすなよー!」

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