恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ14)

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■恋愛事情…114 ページ14

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大貴「今後、一切視界に現れんな。」

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何て言われたら、もう女の子たちは涙目。

今すぐに泣き出しそうな顔で屋上を出て行って、

大貴先輩は複雑な顔をして私を見つめる。

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大貴「王子様に助け求めなさいよ。

まぁ、頑張りは認めるけどさ。」

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ポンポンッと撫でられた頭は久しぶりの感覚で

何が原因かは分からないけど

胸から込み上げてくるものがあって

涙を流すまいと思っては零れた。

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傷のせいなのか、人のせいなのか……もうわからない。

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大貴「怖かったよな。あー、でも俺……

王子様の出番奪っちゃったな。」

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何てイタズラに笑うけど、瞳の様子は切なくて。

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大貴「まぁ、かすり傷だけど……一応絆創膏貼ろうな。」

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そう言って、私を立ちあがらせるために掴んだ手は

するりと小さな手を包み込む。

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人ごみの中でもその手は離れなくて、

離れたのは救護室についてからだった。

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結月「あれ、A!?」

あ「結月、ここの手伝いだったんだね。」

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結月は何も言わずとも察したみたいで

可愛い絆創膏貼ってあげる、何て言って笑った。

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大貴「じゃぁ、結月ちゃん。この子のこと頼みます。」

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結月「あれ、一緒に回らないんですか?」

あ「そうだよ、私もこの後暇なのに……」

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大貴「んー、ちょっと用事あってさ。

あ、グランドフィナーレは絶対来いよ。」

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いつものようにほっぺがきゅっと抓られて、

笑顔がそこにある。

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でも、やっぱりいつかの二人に何て戻れない――――……

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