恋愛事情は複雑で。Part.3【名前変換】 (ページ11)

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■恋愛事情…111 ページ11

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大貴「お姫様の傍にいるのって……

守ったりするのだって、王子様の役目じゃん?」

・

優しい眼差しで、微笑で……

残酷なことを言い放っている気がする。

けれど、言わせてるのは私……何だよね。

・

大貴「男が理性保つって……意外と大変なんだよ。

だから、これからは王子様に慰めてもらって?」

・

そう言うと、夜飯食ってくるといって

カーテンが閉ざされた。

・

そして、それを見ていたかのように

宏太先輩からの電話が鳴る。

・

・

あ「もし、もし…………」

・

震える声は誤魔化しきれない。

宏太先輩はすぐに気付いて、どうしたの?と第一声。

・

((大貴と何かあった?))

・

本当に見ていたのかな、って思う程鋭い指摘に

私は何も言えなくなった。

・

((Aってさ…………))

・

王子様の声でも俺様先輩の声でも聞くと泣きたくなる。

・

((いや、やっぱり何でもない。))

・

あ「何でもないのに電話なんかしませんよ?」

・

頑張って、強がって出た言葉はそれで。

電話の向こうの宏太先輩が

どんな表情をしているかなんて分からない。

・

((実はね、友達に映画のチケット貰ってさ。一緒にどうかな?))

・

あ「映画?」

((そう、最近話題になってるのなんだけど……無理そう?))

・

涙を自分で拭って、鞄からスケジュール帳を取り出す。

開くと学祭以降のスケジュールはがら空きで

断る理由はどこにもなかった。

・

あ「日曜日なら確実に空いてます。」

((じゃぁ、学祭の次の週の日曜に行こうか。))

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