美少年が恋した美少年 (ページ9)

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訪問ページ9

ピンポーン…

『はい(ｶﾞﾁｬｯ)…フフッ、おはようございます。
髪留め、持ってきてくれました？』
美「…ああ…」

証拠を見せるように、右手で摘まんで
緑色の髪留めを見せてみせた

『どうぞ、上がってください』

靴を脱いで家の中に入り、
リビングのソファーに彼を座らせ
お茶とお茶菓子を出した

美「…お前、親はいないのか？…」
『二人共今は海外にいます。
兄もいるのですが…もう家にはいません…
ですからゆっくりしていってください』
美「…お前も座れ。結ってやる」
『ええ、お願いします』

彼の隣りに座り、背を向けた。
髪を触られるたび、首がくすぐったい…

美「…出来たぞ。どうだ」
『ありがとうございます。
昨日よりも綺麗に出来ているじゃないですか』
美「…本当に細い首だな…」
『すぐ折れそうですか？』
美「…そうだな…」

嫌味の様に言って首を撫でられた…
…冷たい…シ人だもんな…

美「…頼みがあるんだが…お前が読んでいた
あの本を読ませてほしい…駄目か？」
『良いですよ。ちょっと待っていてください』

そう言って、すぐ近くの本棚から本を取り、
彼に手渡した

美「すまん…」
『いえ、どうぞ』

そう言うと、彼はページを捲り始めた。
私も隣でスマホをいじる

『(「四つ辻の美少年噂」…あ、出た)』

検索すると、思っていたよりも
多くの検索結果が出た…
…だが、調べるのはやめておいた…
彼が嫌がるかもしれないからね…

美「…ふむ…」
『どうです？おもしろいですか？』
美「ああ、中々おもしろい。俺は中身が
空っぽなんだ。だから内容が簡単に入ってくる」
『それ、しばらく貸します。読み終えたら
また別のを貸しましょう』
美「なら、これはゆっくり読めるな。
今はこれくらいでやめておこう」

しおりを挟み、パタンッと本を閉じた

『どうします？トランプでもしますか？』
美「…いや、今はゆっくりしていたい。
…お前のことを知りたい。話をしよう…」
『…いいですよ。何から話します？』

ティーカップを置き、彼の方に向き直った