美少年が恋した美少年 (ページ7)

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約束(美少年目線) ページ7

「…なんであいつはガキと遊んでいるんだ」

転んだガキの手当をしたかと思えば、
今度は鬼ごっこなんぞし始めた…
見る限りあいつが鬼役らしい…

美「…暇だな…」
猫「にゃあ」
美「なんだ、あいつの煮干しでも食ってろ」

煮干しをやると、ポリポリと食べ始めた

美「自由な奴だな。お前もあいつも…」
猫「にゃあ？」
美「…はあ…」

呑気な猫に呆れ、再度あいつの方を見る。
ガキ共に合わせて少し足を遅くしている。
ふと、あいつの顔を見てみた…驚いた、
あんなに素直な笑顔ができたのか…
俺に以前見せた笑顔は濁っていた…
そう思うとなぜか胸が痛んだ…

美「…？」

なぜ無いはずの胸が痛んだんだ？…
そう考えていると、遊び終えたのか
あいつが戻ってきた

『すみません、ほっといてしまって…
最近の子は元気ですね…久々に
疲れました…』

まだ軽く息をきらしているのか、
ハアハアと吐息が聞こえる…
顔はまたさっきまでの仏頂面に
なっていた…

『ハア…どうします？そろそろ帰りますか？』
美「…ああ…」
『ほら、あなたも送りますから』

そう言って猫を抱え歩きだした…

ーーー

『じゃあ、私の家はここなので』

猫を元いた場所へ戻し、あいつの家の前にきた

『今日はありがとうございました。
次からは角に気をつけて歩きますね…では…』

あいつはそう言い玄関の扉を閉めた…
…閉めようとした。それを俺が阻止し、
完全に閉めることは叶わなかった…
流石のこいつも驚いている…

『！…どうしました？…』
美「…あ…たも…え…か…」
『…え？』
美「明日も会えるかと聞いたんだ！！」

キレ気味に言葉をぶつける。
急な大声に目を見開いている

『…いい…ですよ？』
美「…そうか…」
『はい、明日も暇ですし…あ、でも
明日は予報で雨なので…よければ家に
来てください』
美「分かった…なら…」

こいつの髪を解き、髪留めをとった

美「俺はすぐ約束なんか忘れる…だから、
明日これを返しにくる…それでいいだろ…」
『…フフッ…いいですよ。なら返すついでに
また編んでくださいね？』

…ガキ共に向けた笑顔と同じ顔をしていた…
…今度は胸が温かくなった気がした…

『じゃあまた明日、美少年さん？』

最後にクスリと笑い、扉を閉めた…
…胸がドキドキとしている…

『…フフフッ…』

…帰ろう…今日はなぜか気分が良い…