美少年が恋した美少年 (ページ14)

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休日ページ14

ピンポーン…

『(ｶﾞﾁｬｯ)美少年さん！』
美「うお、ビックリした…」
『す、すいません…なんか嬉しくて…』
美「…そうか…」
『友人とのお泊まり会とか、久々で…』
美「成程な…(まあ、友人だよな…)」
『あ、どうぞ上がってください』

前回と同じ様に、彼をソファーに座らせ、
お茶とお茶菓子を出して隣に座った

美「これ、意外とおもしろかった」
『え？ああ、「フィネガンズ・ウェイク」、
気に入ってもらえたなら良かったです』
美「その…また別なの読んでもいいか？…」
『はい。そう言うと思って、あなたのために
オススメの本を選んでおきました。
お好きなものがあればいいんですけど…』

そう言って、近くのテーブルの上に置いた
四冊の本を指差した

美「これだな、すまない」
『いえいえ…あ、ちょっと待ってください。
読んでいるところを描きたいので、
準備してきます』

ソファーから立ち、二階のアトリエから
筆記用具とスケッチブックを持ち出し、
またリビングに戻ってきた。
が、座ったのはソファーではなく、
ダイニングにある木の普通の椅子に座った

美「…俺はただ読んでいればいいのか？」
『はい、たまに場所を移動しますが
気にせず読んでいてください』
美「分かった」

彼は本を開き読み始めた。
それと同時に、私もデッサンを始めた。

美「…(ﾍﾟﾗｯ)」
『…(ｶﾘｶﾘｯ)』

…にしても、綺麗な顔だな…
前々から思ってたけど、確かに美少年だ。
そう思うと、かなり貴重な時間なんだな…
…いやホントに顔良いな。ビックリする。
彼が半分まで読み終えたくらいで、
私も一枚描き終えた。私が席を立つと、
一瞬こっちに顔を向けたが、すぐに
少し体勢を崩し本へ戻った。
私も場所を変え、また描き始めた。

『フ～フフン♪…(ｻﾗｻﾗ)』
美「…(ﾍﾟﾗｯ)…？」

それからあと九枚程描くと、
彼も全ての本を読み終えたらしい。

美「…(ﾊﾟﾀﾝｯ)はあ…」
『あ、終わりましたか？』
美「ああ、お前もか？」
『はい…十枚ですね』
美「え、そんなに描いたのか？」
『まあかなり時間もたちましたしね。
しっかり描くことができましたよ。
お茶淹れてきますね』
美「ああ、頼む」

彼からカップを受け取り、
キッチンへ向った