美少年が恋した美少年 (ページ11)

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部活動ページ11

『…う～ん…なんか、なぁ…』

十何枚かのキャンバスを並べ頭をかく。
次のコンクールに出す作品が決まらないのだ。
どれもなんだかイマイチな感じがする…

友1「どうしたA？」
『ああ、加賀見(カガミ)さん。いえ、
コンクールにどれを出そうか悩んでいて…』

部活が無かったのか、友人の加賀見さんが
美術室に来た。美術部の後輩達が
彼に挨拶をする。

加「お前ホント上手いなあ。これ全部
金賞取れるんじゃね？」
『流石にそれは無理ですよ…それに、
これらの作品、納得いってないんです…』
加「はー贅沢なこって…でもまあ、
確かに去年よりは落ちたかもなぁ…」

この人はかなり直球で言ってくる人だ。
だからモテルのにすぐ別れる。
けど私にはその直球な意見に助けられている。

『今日も描こうと思ったんですが、
思ったように筆が進まなくて…』
加「あ、お前まだあれ気にしてるのか？
今朝のあいつらの目見たか？
そっとしとくとかできねえのかよ。
そんな引きずってても仕方ないだろ。
また新しい出会い見つければいいじゃん」
『…それはもうふん切りついてるので
大丈夫です』
加「お前、そういうの結構あっさりしてるな」

さらっと返した。だが彼なりに
私の心配をしてくれたのだろう

加「じゃあお前、たまには人物画でも
描いてみればどうだ？ほとんどの絵が
風景画じゃねえか。しかも水辺」
『苦手じゃないですけど、好きでも
ないんですよ…描くんなら
シ体の方がましです』
加「お前かなり極端だよな…」

苦笑された…なんか納得いかない…

加「シ体描きたいなら辻占でもすれば？
そんな噂あるじゃん」
『…あ！』
加「おお、どうした？！」
『加賀見さん、私初めてあなたがとても
役に立つ奴だと思いました！』
加「ひっで？！え、てかマジで会う気か？！」
『ええ、確実に会います。土曜日に』
加「は？！日付も決まってんの？！」
『休みが楽しみですねぇ』

…今夜、ちょっと連絡してみますか…