お兄ちゃんは苦手なお医者さんなんです１

腹痛６(和也) ページ3

智「翔、和どう？」

翔「そろそろ大丈夫みたい。」

智「ほんと？じゃあ検査するお部屋行こうか。」

和を抱っこしながら智にぃの後をついて検査室に入ると途端に涙目になる和。
見たことない機械があるから怖くなっちゃったかな。

智「和、起きてるのも辛いでしょ？ベットにごろんしようか？」

和「やだぁ。ごろんしない。翔にぃの抱っこぉ。」

翔「和、お兄ぃいるから大丈夫だよ。それにごろんしてる方がお腹も楽でしょ？」

和「うん。」

翔「じゃあごろんしようね。」

和をベットに寝かせてタオルをかけてあげる。

智「準備できたからそろそろ始めようか。」

智にぃが始めると言った瞬間に泣き出して暴れ始める和。

和「ふぇ〜ん。やぁだぁ〜。」

翔「和、怖くなっちゃったね。よしよし。でもお兄ぃいるから大丈夫だよ。」

和「やぁだ。怖いよぉ。」

智「薬飲んでもらおうか。その方が少しは落ち着くだろうし。」

翔「そうだね。このままじゃ可哀想だもんね。」

智「和、ちょっとお薬飲んでみようか？」

和「ふぇ。お薬？」

智「そうだよ。このお薬飲むとね、和の不安な気持ちが落ち着いてくるんだよ。」

和「…。ふぇ。」

翔「和？お薬飲むのは怖くないでしょ？」

和「やぁだ。お薬飲んだら検査するもん。」

智「和が検査が嫌なのは分かるよ。お兄ぃだって検査は嫌いだもん。」

和「お兄ぃも？」

智「そうだよ。でもね、和のどこが悪いのかなぁって調べないとお腹痛いの治らないよ？和はず〜っと痛いままでもいいの？」

和「嫌だぁ。」

智「嫌だよね。だからちょっとだけ頑張ろうか？」

和「…。」

翔「和？お薬飲んだらちょっとは怖いの無くなるから大丈夫だよ。和なら頑張れるよ。」

和「うん…。」

智「じゃあこのお薬飲めるかな？」

そう言って薬を渡すと黙って薬を飲む和。

智「えらいね和。お薬飲めたね。」

それから暫くすると薬が効いてきたのか落ち着いてきた和。

智「和、そろそろ検査しようか。」

和「…。」

返事はないけどいつものように嫌がる様子はない。
和なりに頑張ろうとしているのだろう。

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