＊１話 【Yo side】 ページ3
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もう何時間走っただろうか。
ドアを開けると ザー と雨が降っていて
家に戻るわけにもいかず そのまま宛もなく走り続けてしまった。
今戻ってもころんくんに何言われるか分かったもんじゃない。
なんで、こんな結果になっちゃうの。
私は、こんな結果 望んでない。
ころんくんからの愛がほしかった。好きがほしかった。それだけなのに。
どうして、そう上手くはいかないのだろうか。
途方に暮れ、足にも限界を感じていた。
服もびちょびちょになっていて、体にまとわりついて気持ち悪い。
少し先にうっすらと人影が見えたが、今の私はただ走るだけ。
ドンッ という軽い衝撃が走ると共に私はその場に崩れ落ちてしまった。
「わ、っと……っ、え？」
「え、ちょ、A…！？」
意識が朦朧としていく中で
涙で歪んだ視界からぼんやりと桃色が見えた。
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『んっ、ぅ』
何か柔らかくて優しい温もりを手に感じ、眩しい視界で目が覚めた。
視界がぼやっとしていて何がなんだか分かんないけど
上から すぅすぅ、と寝息のようなのが聞こえてくる。
「ん、……。んぁ、あれ、寝ちゃってた…あ、起きた？」
焦点が合わさりしっかりした視界で見えたのは…
『え、せん、ぱい…？』
高校時代の先輩
さとみ先輩だった。
先輩は、私の初恋の人で今でも憧れている人だ。
少し不安定なとこに頭が置いてあるのか少し首が痛い。
あれ、も、もしかして…
膝枕されてる！？
すぐさま体を起こして退き、横たわっていた場所を見てみる。
正座してソファに寄りかかっている先輩が私を心配そうな顔で見つめていた。
「なぁ、A。どうしたんだ？」
『な、何がですか？』
立っていた私の手を先輩が握りしめ、弱めに引っ張ってきた。
それに答え、先輩の隣に腰を下ろす。
あ、この優しくて暖かい感じ…先輩が手、握ってくれてるとなんだか不思議と酷く安心する。
「お前、泣いてただろ？」
『っえ、と……泣いてなんか、いませんよ？』
するっと先輩が握っている手とは反対の手で私の頬に添えてきて、お互いに見つめ合う体勢になる。
「嘘つけ、目の周り 赤くなってる」
『んぅっ、せんぱぁい…？』
親指の腹で目尻をなぞられ、少し声が漏れてしまう。
変な触り方しないでよ、くすぐったい…
私を見つめる先輩の目にはほんの少し涙が浮かび上がっていた。
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れん - 最後はどうなったのか？ (2023年2月13日 23時) (
レス) @page12 id: 2201e3642e (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - めっちゃ良かったです！最高です！！！なんていえばいいのかわかんないけど最高です。 (2021年4月18日 1時) (レス) id: 6fc53c6f0b (このIDを非表示/違反報告)
蕨(プロフ) - こんにちは、cssの作者です。css配布を終了．利用禁止としたため、変えていただけると有り難いです。私の都合で申し訳ございません。 (2021年3月15日 19時) (レス) id: bad26b0f93 (このIDを非表示/違反報告)
なーな - 可愛い話読んでて楽しい (2020年12月13日 13時) (レス) id: 9c9ba7b7c8 (このIDを非表示/違反報告)
茶々丸 - ネーミングセンス神と思ったら内容も神すぎてわたわたしてます!!これからも頑張ってください!! (2020年12月8日 16時) (レス) id: c3ccc982c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Im 3 | 作成日時：2020年11月30日 3時
