四ツ葉と揚羽蝶【四葉環】 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,259 hit

四ツ葉が４枚ページ5

～貴方side～

(「施設に帰ったら話がある」)

環がそう言ってから、あっという間に放課後

いつもの帰り道も、今日はすごく静かで、言い出した本人の顔を見るとなんだか緊張しているようだった

(『いったいなんだっていうのよ…』)

施設に帰ると環は自分の部屋に私を呼んだ(というかつれていかれた)

ガチャ

「……」

『……』

…え、呼び出しといて何も話さないって何なの！？

全く話を切り出そうとしないので、こちらから話しかける

『た、環。話ってなｎ…』

ぎゅぅぅぅぅぅ

…いや、苦しいんですけど！？

いつもよりきつく抱きしめている環に違和感を覚えるが、このままでは拉致があかないので
とりあえず、背中に腕を回して、なるべく優しく、もう一度環に問いかける

『…どうしたの環。ゆっくりでいいから話して？』

そうすると私の首筋に顔をうずめたまま、「あのな…」と話し始めた

「Aも知ってると思うけど、俺、妹を探してんだ

毎日、探してる。…でも、見つからねー

だから、俺、思ったんだ。このままじゃ見つからない。だったら、あっちから見つけてくれれば

いいんだって。だから俺…

アイドルのオーディション受けようと思う」

『え…』

確かに環が妹を探してるのは知ってた

毎日のように出かけては、今日も見つからなかった…って残念そうな顔をしてることも

(『でも、もし受かったら…』)

(『私のそばから、居なくなる…?』)

そう、思ったら突然こみあげてくる涙

環も目を開いて驚いている

早く、早く。泣き止まないと。

環が自分で決めたんだから、笑って送りださないと

流れる涙をこらえて、そっと環の腕から離れる

『…っ…わかったよ…頑張っておいで…っ』

これ以上みられまいと足早に環の部屋を出ようとしたとき

グイっ

「まだ、話は終わってねーよ」

私をもう一度、自分の腕の中に閉じ込めた環は、私の耳元で囁いた

「Aを置いていくなんて出来ない。だから…

一緒にきて。」

…あぁ。私、まだ必要とされてる

そう思うと、またあふれてくる涙。

環は私の涙を指で拭って、返事は？と微笑みながら聞いてきた。

(『そんなの…』)

『Yesに決まってる_____』

そういうと、環は今以上に抱きしめてきた

「…ありがと」

君が幸せなら、それでいい＿＿＿＿＿