目から氷番外編【原神】 (ページ4)

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番外編4 ページ4

※この話にはキャラクターとの恋愛要素が含まれています。
※含まれていないかもしれません。(?)

『ふぅ……ここ食糧ありますかね？』

「キミ早々に諦めるね」

時は遡って今朝。俺は先生と実験材料の採取に出かけた。

イグサ、スライムの粘液、風の種、その他諸々。一通り集め終わり、よし帰ろうとなった時。見慣れない秘境を見つけた。

今日は別に急ぎの用事があるわけでも無いし、ということで、採取した実験材料をモンドに置いてもう一度調査にやってきた。

そして愚かなことに俺達は、まぁとりあえず入ってみて、ヤバそうな敵が出てきたら退出しよう。そういう甘い考えで突撃してしまったのだ。

そして、今に至る。

『いやだって「カベドン」ってなんですか！？分からない以上どうしようもないですよこれ！』

この秘境、まさかの途中退出不可だった。

そして入った瞬間「ここは「カベドン」しないと出られない部屋です」という謎のアナウンス。説明してよ！なんだよ「カベドン」って！

半ばヤケになりながら真っ白な部屋を探索してみるけど、当然水も食糧も置いてない。なんて凶悪な秘境…

「ふむ…言葉のまま意味を捉えるなら壁をドンしろということかな？」

『えー、壁をドン？叩けばいいんですかねぇ…』

近くの壁を殴ってみる。ドゴッ、と音がしただけで何も起こらなかった。強いて言えば俺の手がちょっと痛くなった。

先生も一応と言わんばかりに軽く殴ったけど、結局何も変わらなかった。

「…あ、もしかしたら」

『え？何か分かったんですか？』

「うん、ちょっと壁際に背中を向けて立ってくれるかい？」

『？はい』

素直に言う通りにすると、先生は俺の左側の壁に勢いよく手をついた。

するとあっさり秘境の出口が現れ、あの憎たらしいアナウンスが「おめでとうございます！」と祝ってきた。なんか腹立つなぁ。

先生はそれを確認すると、いつ出口が消えるかも分からないから、と言ってスタスタとそこに歩いて行った。確かに出口が消えない保証はない。早めに出たほうが安全だ。