目から氷番外編【原神】 (ページ2)

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番外編3 ページ2

結局散兵様はあれから30分は怒りが鎮まらなかった。

彼が冷静を取り戻した後は、自分で考えて行動できないのか、と理不尽に怒られてしまったけどこの程度で済んで本当によかった…

でも変なところに火がついちゃったみたいで、絶対にさっきのことを謝らせてやる、って仕事を超スピードで終わらせたの。

それで今からドラゴンスパインに突撃するんだけど、他の部下はみんな任務に駆り出されたから、散兵様に同行するのは私1人。どうしよう、うまくやれる気がしない。

今だってビクビクしなら後ろをついているだけで嫌味を言われてしまった。ひえぇ…少年の見た目なのに凄く上手な嫌味だわ…

手頃なヒルチャール集落を殲滅して、焚き火を起こして暖を取る。一通り体が温まったら、散兵様は私に死者様を探してくるよう命じられた。

たしかにそうよね…散兵様がわざわざ自分から死者様を探すわけがないもの…

吹雪の中あの擬態するような白いコートを探すのかと絶望しながら辺り探すと、案外近くに見つかった。

すぐさま散兵様のところに戻る。

「ざ、散兵様…あちらに死者様がいらっしゃいました」

「…ああ、すぐそこにいたのか。拠点はもっと分かりやすくしておけよ…」

散兵様は悪態をつきながら歩き出した。

拠点のファデュイの兵士達がこちらに気づいて礼をするぐらい近くに来ると、死者様はこちらをチラッと誰が来たのかだけ確認して、またすぐ仕事に戻ってしまわれた。

散兵様からピキッ、という青筋が立った音が聞こえた気がする…

散兵様はズンズンともはやこちらに用件すら聞いてこない死者様に近づいていき、その胸倉を掴んだ。

私は思わず「え！？」と声を上げてしまった。

それを気にせず散兵様は死者様を睨みながら話し出す。

「調子に乗ってるのかな…？僕はわざわざお前から謝罪を聞くためにここまで来てやったんだけど」

『……』

「それとも何？同僚だからってナメてるのか？」

『…すまなかった？』

「お前っ…！！」

死者様の隣に控えている氷蛍術師が顔を手で覆った。

死者様は散兵様が何に怒っているのか理解してないみたい。でもなんか怒ってるし謝れって言われてるし謝っとくか的な感じなのかな…でもそれ逆効果なんです…