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「じゃあおまえにあだ名をつけてやる!恥ずかしいのを付けるほどでもないけど…なんとなくだ!」
『そうか』
あだ名か。別に何と呼ばれようが私は私なので関係ない。でもそんなものは初めてつけられるな。
パイモンは数秒唸り、「
「わざわざ毎回雷電幻夢って呼ぶのは面倒だからな!漢字2文字にしてやったぞ!」
『そうか』
「私は結構気に入ったかも。呼びやすいし」
『そうか』
「そうかしか言わないね」
それにしてもこの2人はよく話す。私が知っている限り、人間は事務的な連絡だけを済ませて自身の作業に集中するものだ。私が今まで関わってきた人間はそうだった。
仕事だからというのもあるかもしれないが、彼らは仕事でなくてもこの2人程は話さないだろう。
興味深い彼女らの挙動を観察しながら先に進んだ。
ただ無心で彼女らの後をついていっていただけなのだが、いつのまにやら名椎の浜まで来てしまったらしい。ここから稲妻城に帰るのは時間がかかりそうだ。
そんなことを考えていると、パイモンが幕府軍に囲まれた抵抗軍の兵士を指差して旅人に話しかけた。
どうやら2人は抵抗軍との接触を図ってここまで来たようだ。道理で遠出する訳だ。
旅人は剣を構えて一目散に幕府の兵士に突っ込んでいった。それを見送ったパイモンが何故か心配そうな表情でこちらを見てくる。
「なぁ、雷幻…おまえも幕府軍なんだろ?もしかしてアイツらを追い払ったら襲ってくるのか?」
『それは必要な』
「必要だ!」
言葉を遮られた。
必死な表情で詰め寄ってくるパイモンの肩を押して適切な距離を取る。将軍に「人との会話は適切な距離を守って行わなければいけない」と言われているからな。
『私の任務内容は2人を追うことだ。「味方が攻撃されていたら守れ」とは命令されていない』
「つ、つまり襲ったりしないってことか?」
『そうだ』
パイモンはパッと表情を柔らかくして、信じてたぞ!と抱きついてきた。適切な距離を保てていないので引き剥がす。
不満そうな顔のパイモンを無視し、旅人の方を確認する。状況は旅人が圧倒的に優勢だ。
パイモンからの話によると、彼女は今まで龍を2、3体、ファデュイの執行官、それに数えきれないほどの魔物を倒してきたそうだ。そう考えるとたしかにあの実力も納得だ。
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△(プロフ) - リクエストに応えたいただき本当にありがとうございます!影ちゃんと主人公の関係性がとても尊く、思わずにやつきながら読んでしまいました🙏これからも楽しみに更新をお待ちしています🙇♀🙇♀ (2022年9月3日 23時) (レス) id: 903d9d5d23 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんぼんばくだん - 神子にお姉様付けるのほんとに好きすぎる…!!!最高ゥゥ↑↑!!リクエストなんですが、胡桃と絡ませて欲しいです!!胡桃に振り回される雷幻ちゃんが見たいです!!お願いします!!最高です!!! (2022年8月29日 19時) (レス) @page31 id: 6ea26225bb (このIDを非表示/違反報告)
△(プロフ) - 二度目のコメント失礼します🙏今回のお話も楽しく読ませていただきました!リクエストの件なのですが、雷電影ちゃんとの絡みをもう少し読んでみたいです😌個人的に「神子お姉様」呼びは私にも刺さりました... (2022年8月27日 23時) (レス) id: 903d9d5d23 (このIDを非表示/違反報告)
名無し3680号(プロフ) - 最初から読ませて頂きました!とても面白かったです。リクエストでティナリ君と絡ませて貰う事は出来ますか?こんな面白い小説久しぶりに見ました! (2022年8月27日 23時) (レス) @page31 id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!物語もイラストも凄く素敵で、いつの間にか最近の楽しみになっていました!これからも応援しております! (2022年8月24日 3時) (レス) @page19 id: 23f7552425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よつばし | 作成日時:2022年8月14日 23時