ゆめまぼろし【原神】

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「それで、お仕事のほうですが、どういったものをお探しですか？」


キャサリンから渡された地図をしまい、彼女からの質問への答えを考える。

どういったもの…そうだな、折角元素力を扱う力は貴重とされているのだし、どうせなら有効活用した方がいいだろう。

というか、私に出来ることはそれぐらいしかない。画家をするにしても、今日すぐに収入が入るわけではないからな。

そういった旨を伝えると、キャサリンはいそいそと奥の資料を漁り始めた。


その様子を眺めていると、ふと背後に気配を感じた。璃月の人間は街中で突然襲ってくるほど馬鹿ではないと判断し、そこまで急がずに振り返る。

するとそこには、喪服のように全身黒の服で身を飾った少女が立っていた。


「ねぇ、今仕事を探してるの？」

『…？そうだ』

「じゃあウチはどう？」


少女はにんまり笑って自身の胸を自信満々に叩いてそう言った。

人形の体にこのような初歩的な不備がないことは重々承知の上だが、自身の耳を疑った。


『貴方は既に自身の店を…？』

「もちろん。璃月イチの葬儀屋「往生堂」の七十七代目堂主、胡桃だよ！」

『葬儀屋…？』


葬儀とは確か…死んだ人間を焼いて葬る行事だったか？それをまさか成人しているかすら定かではない少女が行っているとは。

それに、葬儀とはかなり落ち込んだ雰囲気で行うと聞いているのだが…彼女からは全くその様子が見受けられない。

空気を読んで黙っているキャサリンには悪いが、もう少し待ってもらおう。彼女の話には少し興味がある。


『葬儀屋とは、どういったことをするんだ？』

「それはもう、死者が蘇らないように丁寧に弔うんだよ！あとは営業とかかな」

『私に頭を使う仕事は期待しない方がいいぞ』

「大丈夫！あなたから借りたいのは雷元素の力だけだから！」


給料は特別に即日払いにするよ、と耳元で囁かれる。それは私が求めている条件と一致しているな。

だがキャサリンに紹介される仕事より信用は薄い。ならばこの話は断って、キャサリンに給料即日払いの仕事を見繕ってもらった方が…


「あなた、璃月に来たばかりでしょ？少しの間ならウチで寝泊まりしてもいいよ！」


キャサリンに仕事が見つかったと報告した。

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