2 ページ34
「君の体は今、地脈の乱れによって異常を起こしているんだ。許容量を超えた元素に当てられてしまったんだね」
『…ほう』
「その返事は分かってないね?…そうだな、大まかに言うと、濃すぎる元素を取り込んでしまったから体調が悪いんだ」
『ほう』
かなり噛み砕かれた解説にしっかりと頷くと、少年は顔を綻ばせて私の頭を撫でてきた。
…?私の外見はこの少年よりも年上に作られているはずなのだが。スメールに成人男性の頭を撫でる風習があるとは聞いたことがない。
「…あっ、ごめんね。なんだか年下の相手をしてるような気分になっちゃって」
『スメールの一部の子供は成長が恐ろしく早い…?』
「いや、そういう訳じゃないんだけど…イマジナリー赤ちゃんって感じかなぁ」
『?』
よく分からないことを言い出したので訝しげな視線を向けてみると、少し焦りながら寝るように言われた。
…人間はたまにおかしな事を言うし、彼も少し気が動転していただけなのだろうか。
まぁこの際それは置いておこう。今は早急に稲妻へ帰国するために体調を整えなければ。
私に医者としての知識は無い。ならばこの分野に関して詳しいらしい彼の言う事を聞いておく方が賢明だ。
ーーーーーーーーー
蛍とパイモンはスメール探索の息抜きに稲妻へ来ていた。
今までの流れならば、これからスメールで何か事件に巻き込まれるだろう。そうなれば暫く親しい他国の人々(人では無いものもいるが)に会えなくなる。
蛍自身、もちろん死ぬつもりはないが、せめて友人に軽く挨拶でもしておこうと考えた。
神里屋敷や珊瑚宮、鳴神大社等を訪ねて周り、残すところはは天守閣だけになった。
恐れる事なくそこに踏み入り、雷電将軍の側に控えていた裟羅と軽く雑談をしていると、奥から雷電幻夢が包みを持ってやって来た。
『割って入るようですまない。旅人、会って早々で申し訳ないが、これをスメールの………』
幻夢はそこまで言って固まった。
「…スメールの?」
『……名前を聞いていなかった』
「雷幻は相変わらずだな…」
144人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
△(プロフ) - リクエストに応えたいただき本当にありがとうございます!影ちゃんと主人公の関係性がとても尊く、思わずにやつきながら読んでしまいました🙏これからも楽しみに更新をお待ちしています🙇♀🙇♀ (2022年9月3日 23時) (レス) id: 903d9d5d23 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんぼんばくだん - 神子にお姉様付けるのほんとに好きすぎる…!!!最高ゥゥ↑↑!!リクエストなんですが、胡桃と絡ませて欲しいです!!胡桃に振り回される雷幻ちゃんが見たいです!!お願いします!!最高です!!! (2022年8月29日 19時) (レス) @page31 id: 6ea26225bb (このIDを非表示/違反報告)
△(プロフ) - 二度目のコメント失礼します🙏今回のお話も楽しく読ませていただきました!リクエストの件なのですが、雷電影ちゃんとの絡みをもう少し読んでみたいです😌個人的に「神子お姉様」呼びは私にも刺さりました... (2022年8月27日 23時) (レス) id: 903d9d5d23 (このIDを非表示/違反報告)
名無し3680号(プロフ) - 最初から読ませて頂きました!とても面白かったです。リクエストでティナリ君と絡ませて貰う事は出来ますか?こんな面白い小説久しぶりに見ました! (2022年8月27日 23時) (レス) @page31 id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!物語もイラストも凄く素敵で、いつの間にか最近の楽しみになっていました!これからも応援しております! (2022年8月24日 3時) (レス) @page19 id: 23f7552425 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よつばし | 作成日時:2022年8月14日 23時