夜叉さんとこの蝶々II【原神】 (ページ9)

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魈「蝴蝶は一度、崖から身を投げた。その時は我がなんとかしたが」

パイモン「ええっ！？あの蝴蝶が！？」

空「そこまでする程に辛いことがあったのかな…」

空の疑問に、魈は何でもないように「そんな事を考えられるような歳ではなかった」と答えた。

その答えを聞いた空達は、それぐらい幼い時に身投げをするなんて！と、更に悪い方向へ想像力を膨らませた。

魈「大事なのはその後だ。

我には璃月の凡人達の家を全て把握するような暇はない。だから蝴蝶を近くに寝かせて、他の場所の妖魔を狩りに行った」

パイモン「まぁ、そうだよな。いくら仙人でも璃月人一人一人の家を把握するなんて無理に決まってる！」

魈「…それから5年ぐらい後、我は花で満たされた大きな鳥籠の中に閉じ込められた蝴蝶を見た」

髪は長く伸び、毛先は完璧に整えられ、綺麗な光輪ができるほど丁寧に手入れされていた。

明らかに高級だと分かる手の凝った少女用の服を身につけ、花や宝石で飾られていた。

魈が詳しく説明する度に、空達は顔を引き攣らせ、眉間に皺を寄せた。

魈は溜息をついてから、再び絶雲の間に視線を向けた。

魈「悪名高い大富豪が、絶雲の間の別荘に頻繁に足を運ぶようになったと聞き、興味が湧いた」

空「それで、その別荘にいたのが蝴蝶…ってこと？」

魈は空の問いに頷いた。

パイモンは気分が悪くなったようで、近くの椅子に座って休んでいる。

魈「そういう奴だから、人並みの楽しみを得ることができたのか気になっただけだ」

空「「だけ」じゃないよ…パイモンなんて気分悪くなっちゃったし」

魈「知らん」

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