夜叉さんとこの蝶々II【原神】 (ページ48)

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邪魔も入らず話し終えた蝴蝶はスッキリとした表情で探索を続ける。

さらに奥に、奥に、奥に…すると、うわ…と面倒そうな声が聞こえてきた。

空「どうしたの？」

パイモン「まさか中にいた宝盗団にー……うわ」

空「待って、俺もすぐそっちに行くから」

空が駆け足で声のする方へ行くと、行く手を阻むような大きくて深い水溜まりがあった。

壁を伝って行くには体力が心許ないし、勿論泳ぐのも無理だ。

恐らく侵入者を足止めするためのものだろう。ならこの奥に空達の目的のものがある可能性が高い。

だがこの水溜まりを超える手段があるわけでもない。パイモンは飛べるからなんとかなるだろうが、空が越えられなければ意味がないのだ。

2人は途方に暮れた。

『俺が凍らせて足場を作るから、溶けないうちについて来いよ』

パイモン「そっか、蝴蝶は氷元素だったか…今日の蝴蝶は本当に大活躍だな！」

空「でもこんな長距離、元素スキルで渡り切れるの？」

『まぁまぁ、任せとけって！水上歩行には自信があるんだ』

蝴蝶は元素スキルを発動し、頭上に薄い布のようなものを出現させた。周りに小さくて透明な蝶が現れる。

そんな儚い外見をブチ破って、いくぞー、と気の抜けた合図をしてから水面を走り出した。

その後を慌てて着いていく空。心海の元素爆発の他人に優しいバージョンだな、と考える。

走りながら後ろをチラッと振り返ると、自分が踏んだ氷が次の瞬間には消えていることを確認できた。

空は落ちるかもしれないという恐怖と共に、他人に優しくはないな、と考えを改めた。

なんとか水溜まりを渡りきり、少し息を切らせる空を心配そうに見つめるパイモンと蝴蝶。

すまん、ちょっと2人であの氷を渡るのはキツかったか？と声をかけられてたので頷く。

次があったら抱えて走ってやるよ、と善意100%な提案を聞き、慌てて断る。

子供でもないのに抱えられるなんて…という羞恥心の方が勝ったらしい。

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