夜叉さんとこの蝶々II【原神】 (ページ14)

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『さすがにここまで追ってくる程アイツも暇じゃねぇだろ…』

「お兄さん！ピョーンってやつもう一回やって！」

『ええー？』

「ピョーン」ってのは、さっき山登る時にやった大ジャンプのことだろう。

なんとか上手にあしらって、意識を違う話に向けさせる。

ほら、やっぱり魈さまに稽古つけてもらった技をポンポン披露するのは良くない気がするじゃん？

こーゆーのは然るべき時に使うべきだよな。うん。

にしても仙人はすごいよな。魈さまなんてもうシュシュシュッ！ってあっという間に100メートルぐらい進むし。

本気出したら普段の7倍ぐらい跳ぶんだぜ？

俺も結構しっかり稽古つけてもらったのに、普段の2倍が限界だった。やっぱあれは仙人だからそこ成せる技なのか…

『俺はあんぐらいしか跳べねぇけど、仙人はもっと跳べるんだぜ」

「もっと？もっとってどれぐらい？」

『さっきの3倍ぐらい』

「3倍ってどれぐらい？」

『あー、んー…』

しまった、子供に倍数は分からないか…

適当な木を指差して「あれぐらい跳べる」と言うと、目を輝かせた。

フフン、やっぱり魈さまは老若男女に尊敬される存在なんだ。

『あーっ…と、花冠忘れてた。摘んでくるからこの辺で待ってろよー』

「うん！霓裳花(げいしょうばな)で花冠作ってるね！」

そう言って鞄から5本の霓裳花を取り出した女の子。

この子ほんとに花冠好きだな。

まぁ楽しいなら何よりだよ。

『…あれ、この辺って霓裳花咲いてたか？』

「ううん、これはね、友達の男の子に貰ったの！」

『…おう』

哀れ、男の子。

きっと君はこの子が好きなんだろう。でも伝わってないぞ。

ほらこの眩しい笑顔！お前の気持ち1ミリも分かってなさそう！

男なら面と向かって好きって言えよ！俺は応援してるぞ！

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