鷹の目の心Ⅲ (ページ44)

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そして、セインは昔婚約していた女性が貴族に突き飛ばされ、打ちどころが悪く命を落とした。

最期の言葉を聞き取れなかったセインはひどく悲しみ、同時に貴族を酷く恨んだ。

シセルバの学者たちの噂話により、秘剣の蘇生の能力を知ったセインは、島中の資料を読み漁り情報を得た。
シセルバの宝といえど、その刀が本当に存在しているかどうかまでは定かではなかった。

しかし、そのことを知っていいのはシセルバの中でもごく限られた者たちのみ。

身柄を確保されそうになったセインは、命からがら島を抜け出した。

その後海をさすらう海賊となり、生きる為に恨みある貴族を中心に追い剥ぎ、窃盗、殺し...なんでもやった。

あるとき刀鍛冶としての第二の人生を歩むことを決める。
いつか、秘剣に巡り合えるかもしれないと思ったからだ。

刀鍛冶として名が売れ始めた頃、過去に酷い目に合わせた貴族と鉢合わせ海軍にとらわれる。

あの刀鍛冶の島に収容された。
海軍や食人族の武器を作る為働かされ、観光客には一切金をもらってはならない。

そんな生活を強いられていた頃、食人族の噂でシセルバでのバスターコールの話を聞いた。

秘剣も失われたと絶望していたところに、ミアたちは現れたのだ....。

その後、海軍に情報を開示することとミアたちの動向を報告すること引き換えに、その力が得られれば、セインの呼び戻したい人間を呼び戻すという協定を結んだ。

誰が傷つこうとも、何を失っても、もう一度、恋人に会いたかったのだ。

ただ、ミアとミホークのやりとりをみていると昔の幸せだった頃を思い出し、力を貸さずにはいられなかった。
ミホークに依頼されたミアのネックレスも、シセルバの覇気についても...本来与える必要がないものも与えた。

時は満ちた。
今、ミアは大昔の人間でも、全ての歴代の能力者でも、呼び戻し、その力を得ることができる様になったのだ。