鷹の目の心Ⅲ (ページ42)

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『ミホーク..！私....！』

声にならない声で、心の内を話した。

不安だったこと。怖かったこと。

もう2度と会えないんじゃないかと思っていたこと。

記憶を失った間も何度も感じたあるはずのないミホークの気配のこと。

『私は...貴方と一緒にいたいの！！』

ミアがパッと顔を上げると....

気のせいだろうか。

普段ほぼ無表情な彼が、泣いているように見えた。

驚いて目を見開くと、ミホークは帽子を深く被って抱き寄せた。

ミホーク
「...仕方のない奴だ...。本当に俺でいいのか？」

『そんなの、当たり前じゃん！同じようなことまたしたら...許さないからね！』

そう言って笑い合った。

セイン
「感動の再会中悪いが...俺の話も聞いてくれないか？」

ハッとしてセインを振り向くと、ミアは構えた。
が、腰に刀がない。

『あれ！？』

セインが自分の刀を持っているのをみて驚愕する

セイン
「ほら。返すぜ」

ミアは受け取ると、じーっとセインを見つめた。

『色々と、説明して欲しいんだけど』

セイン
「いいのか？」

藤虎
「....」

藤虎は押し黙ったままだ。

藤虎
「あっしは船と海兵たちの状況を確認せにゃなりやせんので...その間に、海賊が無駄話をしていたことについちゃあ何の問題もありはしやせん」

そう言って、藤虎は踵を返した。

セイン
「....変わった大将だなあ本当に」

藤虎
(本来、聞かせるような内容じゃありやせんが...ミアが知る権利は十二分にある....。)

ミホーク
(大将・藤虎か....。奴の掲げる正義とやらは、他の海兵どもとは違うようだな)

藤虎が居なくなった軍艦の甲板で、セインはフウと一息ついた。

セイン
「ホジョホジョの実は、前にも説明した通り能力者の力を補助するものだ。
ミアが食べればシセルバの護人の能力が強化されるだろう。
だが、俺が伸ばしたいのは刀の能力だった。だから刀に使わせてもらった」

セインは、刀の能力と海軍の狙いについて話を始めた。