鷹の目の心Ⅲ (ページ41)

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海兵
「藤虎さん！これ以上は...軍艦が沈没してしまいます！！」

藤虎
「...どうしてもそこを譲るつもりはないんですかい？鷹の目の」

ミホーク
「当然だ」

荒れる軍艦の上で、怯える海兵たちとは裏腹に鋭い睨み合い。

セイン
「ほら、大将さんよ。」

スッとその空気の中に入ってきたセインが、ミアを2人の間に置いた。

ミホーク
「ミア...！」

セイン
「動かないでもらおうか鷹の目」

ミホーク
「やはり貴様...」

セインは、ミアの頭を撫でながらミホークに笑いかけた。

セイン
「こいつはいい女だが、俺には心に決めた奴がいるんだ。そのために俺は全てをかける。
取引だ。鷹の目」

ミホーク
「取引だと？」

セイン
「今、お前が持ってるホジョホジョの実をこっちに渡せば、ミアは返してやる。
そのかわり、俺の恋人を呼び戻してくれてからだ」

ミホーク
「そんなことのためだけに、貴様は海軍についているというのか？」

セイン
「当たり前だ。1人じゃそううまくは行かないからな」

藤虎
「そんな勝手なことされちゃあ困りますな」

セイン
「どうせ食わせる予定だったんだ。構わないだろう」

ミホークは懐から悪魔の実を取り出した。

『『ミホーク』』

自分を呼ぶ声が聞こえた気がして、ミホークは覚悟を決めた。

シュッ

セインに向かってホジョホジョの実を投げてやった。

セイン
「やっと手に入れた....」

セインは、ホジョホジョの実と青雲時雨を持ち、部屋に入っていった。

ミホークと藤虎の間に微妙な空気が流れる。

黒刀をしまい、ミアを抱え上げるとミホークは愛おしそうにミアの髪を撫でる。

ミホーク
「すまなかった...」

小さな声で呟くと、それを聞いた藤虎も剣をしまう。

ガチャ

暫くしてセインは部屋から出てきた。

手には青雲時雨しか持っていない。

セイン
「手荒な真似をして悪かった。」

セインがミアに触れると、一時的に止まっていた心臓が再び動き始める。

ドクン....

同時に、ミアはうっすらと目を開ける。

目を開けた先には、夢にまで見た人の顔がある。

ずっと逢いたいと、心の中で願っていた人。

ミホーク
「ミア...」

名前を呼ばれた瞬間、今までの辛いことを全て忘れて...

強く強く、抱きしめた。