鷹の目の心Ⅲ (ページ36)

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『...うぅ...』

頭を抑えながら、ミアが部屋から出てきた。

立場はあれど、3人ともミアを心配する。

サボ
「ミア！大丈夫か...!?」

サボは一早く駆け寄りミアの体を支える。

『サボ...なんでここに』

ミアが顔を上げると、当然、藤虎と目が合う。

そんなことよりも彼の後ろにいるのは....

『ミホー...ク』

ミアは固まると、その名を呼んだ。

ミホークは、目を細めた。

ミホーク
「ミア」

ミアはなんて声をかければいいか分からず、そっぽを向いた。

結局、ミホークの真意はわからないままだったからだ。

それでも、彼はミアの前にこうして現れた。

どうでもいいと思っているのなら、ここにはいないのではないだろうか。

そんなことを思い、淡い期待を抱いてしまう。

『なんでここにいるの？ミホーク』

ミホーク
「記憶が...戻ったのか？」

『...うん』

ミアは、サボの腕をギュッと掴んだ。

藤虎
「記憶が戻ったとなっちゃあ...海軍大将としてこのまま放っておく訳にはいきやせん...！」

『藤虎...！』

ミアはサボから離れ、藤虎の前に立ちはだかった。

藤虎
「なにをするおつもりで...？」

ミアは葛藤の末、拳を握った。

『記憶が戻ったところで、私たちの任務は変わらないでしょう...？』

そう言って、ミホークに向き合った。

『ミホーク、ペローナは今、海軍に捕まってる。私は彼女を助けるために海軍に協力してるの。
麦わらの一味を捕縛し、政府の実験に付き合うことでそれが叶うの』

ミアは、青雲時雨に手をかける。

『あなたは一体...何がしたいの...？私は、あなたの心がわからない...！』

目尻に滲む涙を見て、ミホークは黒刀を構えた。

サボ
「おいおい、お前ら少し落ち着けよ！」

『サボは黙ってて！！』

サボ
「ミア！」

『用があるのは....ルフィたちだよ！』

ゴッ.....！

青黒い覇気が舞い、サボとミホークは膝をつく。

ミホーク
「くっ...護人の力か...」

サボ
「畜生...！ルフィ...！」

ザッ！

ミアは二人を無視して、少し遠くに見えるサニー号まで、月歩で接近する。

人並みだった運動能力も、今では超人の域だ。

ミアは上空から、サニー号からこちらを見上げるルフィに向けて、勢いに任せ刃を突き出した。