鷹の目の心Ⅲ (ページ34)

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(苦しい...どうしてこんなに胸が痛むの...！？)

ミアは、突然の体の変化に動揺した。

動機がする。

胸騒ぎがする。

苦しい。

辛い。

何でもないのに涙が溢れる。

「「言ったはずだ。それをつけている限り、お前は俺の女だとな」」

『『私も、貴方を守れる女になりたい。
そう願うことは、恩返しにはなりませんか？』』

キィ....ン

強い頭痛がする。

彼の言葉が、声が、胸を締め付ける。

『うっ...！』

突然膝をついたミア。

藤虎は異変に気づき、ミアの身体を支える。

藤虎
「...ミア？」

『ミホーク....！』

ミアは優しく撫でてくれたあの人を...いや、突き放すように去っていった彼のことを、思い出した。

『うわああああ！』

封じられていた記憶が戻り、ミアは絶叫した。

船上は大騒ぎだ。

ズン....！

覇気を発動させ、藤虎以外の海兵たちはバタバタと倒れていく。

藤虎
「こいつは...！ミア...！」

なんとかしようにも、発作を起こすようにして震えるミアに対して、藤虎は何もできなかった。

藤虎
「....っ。やむを得んでしょう..！」

ドスっ！

藤虎はミアの鳩尾を殴る。

『私は...護りたい...』

ミアはそう言って、意識を失った。

藤虎
「今発動したのがシセルバの覇気だったならば...あっしも...」

藤虎はミアを抱え医務室に運んだ。

軍艦を一旦止め、海兵たちを起こしていく...

藤虎
「さて...どうしやしょうかね...。
このまま麦わらの一味を追撃しても、ミアの状態にどんな影響を及ぼすか...」

沖で止まったままの軍艦の上で、頭を悩ませていた。