鷹の目の心Ⅲ (ページ32)

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ホジョホジョの実ページ32

そんな二人の会話を盗み聞いている人物がいた。

何事もなかったかのようにその部屋の前を横切り、元帥の部屋へと向かう。

サカズキ
「遅かったのぉ。いつまで待たせるつもりじゃい。」

？？
「いやー、まさか彼に奪われるとは思っていなかったもんでね。」

サカズキ
「お前が安易に渡したりするからじゃろうが！」

？？
「まあそう怒りなさんな！」

サカズキ
「で？どうするつもりじゃい...セイン」

サカズキと話していたのは、刀鍛冶の島で青雲時雨を打ち直し、ホジョホジョの実をミアたちに手渡したセインだった。

セイン
「ホジョホジョの実は必ず護人に食べさせるさ。そうしなきゃ俺の願いも叶わないしな」

サカズキ
「貴様の願望など聞いちゃおらんわ！」

セイン
「まあそう怒るなよ...。ホジョホジョの実を食わせれば、ミアの護り人の能力は真に発揮され、年数を制限されることなく死者を蘇らせることが出来る...」

サカズキ
「政府が狙っとるんはその先じゃ。」

セイン
「そうだな...。復活させた人間の能力を得ることが出来る。
つまり、実質すべての悪魔の実の能力を得ることが可能と言うわけだ」

サカズキ
「ふん....」

セインはサカズキの前に立つと、真剣な眼差しを向けた。

セイン
「20年前に死んだ俺の恋人を、また再びこの目に映せるなら俺はなんだってやれる」

サカズキ
「お前の願望なんぞ聞いとらんと言うとるじゃろうが」

セイン
「ホジョホジョの実を食わせれば、俺はあの島から解放してくれるんだろうな？」

サカズキ
「....」

セイン
「...まあ、政府とは話がついてんだろ？そういうことで頼むぜ」

セインはそういうとサカズキに背をむけ歩き出す。

セイン
「そういえば、革命軍も動いてるらしい。用心に越したことはないぞ？元帥さんよ」

サカズキはセインの背中を眺めながら、モヤモヤしていた。

貴重な情報が得られるとはいえ、海賊の手を借りるような真似は不本意だ。

ただ、使える手段はなんとしても使えと命を受けていた。

サカズキ
「気に入らんのぉ....」

不機嫌そうな顔のまま、煙草をふかした。