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「すきだよ。」
響く草木の音をかき消すように、彼は、そうつぶやいた。大きくも小さくもない声と俯き気味で、赤面しているわけでもない、気まずそうでもない。無表情でなんの期待もしていない。そんな彼に違和感を抱きつつもその一言に驚きを隠せなかった
「Aが、別に俺の事そういう風に見たことないの、わかってる。」
「あま、つき？」
抑揚なく、淡々と言葉を紡ぐ彼。
「その様子だとやっぱり。俺なりに頑張ってたつもりだけど、気づいてもらえてなかったみたいだね。」
「あ…、ごめ、ん。」
「いいよ。でも俺、諦めるつもりないよ。これからもずっと、Aのこと好きでいるつもりだから。ちゃんと考えて。」
私を見る目から伝わってくる真剣さに戸惑いつつ、混乱した頭で必至に返事を考える。
そうだ、天月はいつだって私をみてくれてたじゃないか。私がいじめられそうになった時だって、落ち込んでた時だって、誰よりも早く気づいてくれた。
私が他の男子と話しているときはいつも不安そうな表情をみせていた。
なんで、きづかなかったんだ。
ちゃんと、伝えないと。私の気持ち。
「きづけなくて、ごめん。でも、私は天月のことそんな風にみたことない。けど、考えさせて。私、ちゃんと考えるから。待ってて。」
そう言うと天月は、大く目を見開き微笑んだ
「うん、待つよ。俺もAが振り向いてくれるような男になるから。頑張るから、待ってて。」
そう言って天月は、公園の出口へむかった。
公園から出る直前、彼は振り向いて、"またね"と言って穏やかな笑をみせた。
いつ果たせるかもわからない、不確かな約束。
何年ぶりだろう。小さな、不確かな約束に、二人は心を弾ませた。
待ちつ、待たれつ、待たされつつ。
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夜兎月(プロフ) - 胡桃さん» ありがとうございます。光栄です。受験生ですので数ヶ月お待ちいただけますと幸いです。更新を再開した際にはまたよろしくお願い致します！ (2020年10月25日 23時) (
レス) id: 7d287da9d4 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - 神すぎる！！更新頑張ってください！！ (2020年10月20日 16時) (レス) id: b54d2dadf8 (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» そう言っていただけると、嬉しい限りです！ありがとうございます。頑張ります。 (2019年7月28日 23時) (レス) id: 6fff1bcc40 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月28日 12時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - みゃーさん» ありがとうございます!頑張ります。 (2017年7月22日 20時) (レス) id: e9eec8a170 (このIDを非表示/違反報告)
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