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朝のHRが終わり、一時間目が担任の先生の授業だったらしくありがたいことに自習になった。自習、と声ががかるとすぐに私の席の周りに人な集まってくる。
どこから来たの?
好きなものは?
部活決めてる?
などと次々に振りかかってくる質問にひとつずつ答えていく。
「〇〇から来ました。好きなものは、色々?運動とか好き。部活は決めてなくて、色々落ち着いてから決めようかなって。」
そう答えれば、うちの部に見学来てねと数人が声をかけてくれた。優しい人たちだ。
「あ、Souと知り合い?」
「そう?」
そうって誰だろうか。と首をかしげると質問をした子はすぐさま説明してくれた。
「さっきHRで立ち上がったやつ。」
「ああ、どうだろう。昔ここに住んでたから知り合いなのかも。」
そう言うと、そうだったの!とまた騒がしくなる。
「おーい、Sou!って、寝てんのか…。ごめん、爆睡してた!」
「また話しかけてみるよ。私も気になるし。」
丁度そう言ったところでチャイムがなり、皆次の授業への準備へと取りかかった
優しいクラスメイトに恵まれて、転校初日はいいスタートとなった。
その日の放課後、例のSouくんに呼び出され、一緒に下校することになった。
「ごめん、急に呼び出して。」
「いいよ、どうしたの?」
顔を赤くしてこちらを見るSouくんは男の子らしい見た目に反して可愛らしい。
「昔っ、仲良かったんだけど覚えてない、かな。」
やっぱり知り合いだったんだ。そう思いながらずっと昔の記憶を遡る。
「家近くて、よく遊んでて…。あ、公園とかでさ!」
そう言われて思い出した。毎日のように遊んでいた子がいた。引っ越しする際はその子と離れてしまうのが本当に嫌だった。本当に可愛らしい子で、私はその子のことを女の子と思っていたのだが…。
「もしかして、そーちゃん???」
名前を呼ぶと目の前の彼はぱあっと顔を明るくした。
「うん!思い出してくれたんだ!」
「うん。ごめんね、忘れちゃってて。すごい大きくなったね。昔は私より背が低かったのに。」
というか男の子であるという事実に驚きである。
「ありがとう。Aちゃんは昔と変わらず、可愛いね。」
「えっ。」
さっきまで顔を赤くしていたのに、それが嘘のだったかのように微笑むSouくん。
「僕、あの時からずっとAちゃんのこと忘れられなくて。今もAちゃんのこと好きだよ。」
「え。」
あまりに急すぎるその発言を気にする様子もなく微笑む彼はきっと小悪魔だ。
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夜兎月(プロフ) - 胡桃さん» ありがとうございます。光栄です。受験生ですので数ヶ月お待ちいただけますと幸いです。更新を再開した際にはまたよろしくお願い致します! (2020年10月25日 23時) (レス) id: 7d287da9d4 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - 神すぎる!!更新頑張ってください!! (2020年10月20日 16時) (レス) id: b54d2dadf8 (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» そう言っていただけると、嬉しい限りです!ありがとうございます。頑張ります。 (2019年7月28日 23時) (レス) id: 6fff1bcc40 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月28日 12時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - みゃーさん» ありがとうございます!頑張ります。 (2017年7月22日 20時) (レス) id: e9eec8a170 (このIDを非表示/違反報告)
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