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ページ14

「どうかしましたか。」

入ってきてからこちらを見つめ、何も言葉を発しない生徒。

その様子に思わず訝しげに見てしまう。そんな私の様子に気がついたのか、はっ、とした様子でわたわたと慌てふためく。

「あ、す、すみません…えと、AA教授ですよね…?」

そう、動揺とはまた違った、僅かな不安に染まった目で問われる。なぜそのような目で見られているか皆目見当がつかない。


「えぇ、そうですが。」


そう答えると目の前の彼は、先ほどとは一転。目を輝かせ、期待と喜びに染まった顔でこちらを見た。


「やっと…!やっと会えた、おねえちゃん!」


驚きで目を見開く。非常に顔の整った男性(とはいっても生徒だが。)にお姉ちゃん、と呼ばれ詰め寄られているのだから、そうなるのも無理のないはずだ。いや、そもそも大学生でお姉ちゃん呼びはどうなんだ。顔に似合わない幼さだ。と、考えているうちに1つの推測が浮かび上がる。


「…君は、もしかして、昔、隣の家に住んでた、」

男の子?と続けようとしたが彼の勢いのある返答に打ち消された。

「…ッ!そう、そうやで!るすやで!」

「…久しぶり、大きくなったね」


今朝、思い出していた彼が目の前にいる。ただそれだけで感慨深くなる。懐かしく、言葉に表せない感動が込み上げてきた。

思わず口角があがり、自分の表情が柔らかくなっていることに気付く。
ああ、嬉しいのだ。こんなにも嬉しいことなどいつぶりだろうか。



「…ッ!なぁ、おねえちゃん、おれ、大きくなったで。」

ふっと顔を俯けたるすくんがそう呟く。


「…?どうした…の。」

どうしたの、そう問おうとすると、ばっ、と顔をあげたるすくんと目が合う。彼の顔は真っ赤に染まっている。


「もう、結婚できるよ。」


「…!」

そう言われて、過去に彼に言われた言葉を思い出すと同時に、先程の言葉の真意に気がつき、頬を染めてしまう。


「ね、言うたやろ。」


あぁ、思い出すことなんて、

「あの、」



知ることなんて、ないと思っていたのに、



「ずーっと一緒、やよ。」



『ずーっと一緒、やよ!』



そう言って、頬を赤く染めて微笑む彼を、目の前に、私の思考は、正常に働くことはなかった。






_______
順位が非常に延びてて驚きました。
殿堂入り&総合順位、本当に嬉しかったです。これからもこの作品を、どうぞよろしくお願い致します。


ユーザーランキング!ありがとうございます😭

距離/Eve→←約束/luz



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夜兎月(プロフ) - 胡桃さん» ありがとうございます。光栄です。受験生ですので数ヶ月お待ちいただけますと幸いです。更新を再開した際にはまたよろしくお願い致します! (2020年10月25日 23時) (レス) id: 7d287da9d4 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - 神すぎる!!更新頑張ってください!! (2020年10月20日 16時) (レス) id: b54d2dadf8 (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» そう言っていただけると、嬉しい限りです!ありがとうございます。頑張ります。 (2019年7月28日 23時) (レス) id: 6fff1bcc40 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月28日 12時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
夜兎月(プロフ) - みゃーさん» ありがとうございます!頑張ります。 (2017年7月22日 20時) (レス) id: e9eec8a170 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜兎月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年6月6日 20時

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