5年ぶりの彼《Ren.N》

5年前 ページ29

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5年前…






“Aを幸せにできない”といい別れた。それが理由じゃないの？









永瀬『5年前…俺が別れた理由は…大阪の大学行くって言ったら…お前ついてくるやろ？』









たしかに。
別れようという前は廉について行こうとしてた。廉の夢をそっと支えたくて…









永瀬『お前の…保育士の夢も壊したくないねん。せやから、別れようって言ったんや。』









そんな…
廉まで応援してくれてたの？









永瀬『ちゃんと別れないとって思って…最後“離せ”って言って冷たくしたんや。
でも5年ぶりに会えて…俺やっと気付いた。
5年前と変わらずお前が好き。』









真剣な目で言ってくれた。
私は嬉しかった。でも…神様は私の味方についてくれなかった。









ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ









永瀬『…ミナミちゃん？』



ミナミ『永瀬くんのお迎えです〜！永瀬くん！私の家に行きましょ！』



永瀬『は？』



ミナミ『あれ？まだ言ってないんですか？A先生。』









せっかく廉の思い聞けたのに。
まだ両思いって確信できたのに…









永瀬『A。どういう意味？』



『はぁ…これ…でっ…廉の世話しなくて済む。いなくてっ…ﾋｸｯ…せいぜいする。ミナミ先生ならかわいいし、幸せになれるよ。だから、さようなら。』









私は乱暴に廉の服をしまい廉に押し付けた。
廉は戸惑ってる。そして廉はこの家から居なくなった。









また後悔が増えた。
辛かった。好きな人からの“好き”なんてほとんどないのに…心から好きなのに…ミナミ先生のところへ行った。取り返しのつかないことをした。また私も傷つき廉も傷ついた。









私は涙が出ないというところまでたくさん泣いた。
慰めてくれる人もいない。玄樹に迷惑かけたくない。私はひたすら泣いた。

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