53，素敵な個性、ささやかな贈り物 ページ5
激闘を繰り出しているAの一方で壁にもたれながら、ロディは体を引きずるように階段をゆっくりと下りていた。
背中の痛みに気を失いそうになりながら、
国境を目指していた夜のことを思い出していた
___(ロディは、個性あるの？)
恥ずかしくて言いたくなかったけれど、
結局Aに負けて仕方なくロディは告白する。
___(こいつが俺の個性だ。こいつの…ピノの行動は、俺の本心を示す)
それを聞いたAは「へぇー！」と
興味深そうに目を輝かせピノを見た。
ロディの頭に乗ったピノは
恥ずかしそうにモジモジしている。
___(いくら俺が嘘をついても、ピノを見られると…本音がバレちまう。本当、大した事ない個性だろ⋯)
ロディはピノに愛着があった。
時に素面になれない自分の代わりに、
素直でいてくれる相棒のようなものだ。
それでもすごい個性と比べてしまえば
何の役にも立たない個性だと思っていた。
でも。
___(ううん！そんな事ないよ！)
___(え？)
___(嘘をつけないなんて、とても素敵な個性だよ。素敵で、なんだかロディらしい)
___(はは、なんだよそれ)
「意味、わかんねえ…っつぅの」
ロディは息を切らしながら、壁にもたれかかる。
手のひらの上で動けなくなっているピノを見た。
瀕死のその姿は自分だ。
ロディから力が抜けていく。
今の状態をまざまざと見せつけられたようで、
歩こうと思っているのに、
足は動いてくれずズルズルと
その場にへたりこんでしまう。
意識が朦朧としかけるが、その時
再び彼女の言葉が蘇った。
___(もっと誇って良いと思うよロディ。個性も、貴方自身も。私はその個性、とっても好き！)
ロディは、今も戦っているお人好しのヒーローを
想いながら、死にかけているピノを撫でる。
「…っうるせー、よ」
ロディはそう呟きながら
彼女が笑う光景を思い出し
口角が上がった
この個性も捨てたもんじゃないと思えた。
ロディは力を振り絞り、
ゆっくりと世界の命運を握る地下へと降りていく。
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無希(ナキ)(プロフ) - 坦々麺さん» また遊びに来てくださったんですね！！ありがとうございます！土下座)ロディに会えたら良いですね…大号泣不可避は間違い無いでしょうね…！映画で感じた感動からも、ロディの存在の素晴らしさを感じますよね！ (1月29日 21時) (
レス) id: f7eb5ad982 (このIDを非表示/違反報告)
坦々麺(プロフ) - 映画を見返してて思わずまた見に来ちゃいました。ロディまた会える時が来たら大号泣不可避ですね (1月21日 23時) (レス) @page18 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
無希(ナキ)(プロフ) - メイさん» 全部読んでくださったんですか！？貴重なお時間なのに遊びにきてくださって大変ありがたき幸せです…！ありがとうございます、まだまだがんばりますぞー！温かいコメント本当にありがとうございました！ (11月19日 16時) (レス) id: 35a497e8fb (このIDを非表示/違反報告)
メイ - すっごく面白くてこれ関連全部読んじゃいました、、、更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (10月30日 20時) (レス) id: befb0f92fd (このIDを非表示/違反報告)
無希(ナキ)(プロフ) - 神楽さん» うおおおお何回も読んで下さって、神楽様の貴重な時間を使って下さってありがとうございます！！！また面白いと言っていただけるよう頑張りますね！！暖かいコメント本当にありがとうございました！ (10月5日 20時) (レス) id: 35a497e8fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無希(ナキ)
| 作成日時：2023年9月24日 13時
