61，よく知っている鳴き声 ページ13
搭乗口へ向かおうとしているAはソワソワしていた。
そんな彼女に轟が気づき、声をかける
「どうした(人1)、忘れ物でもしたのか」
「あ、ううん。そうじゃなくて…」
ロディには昨日、挨拶をしていたが
ちゃんと、さよならを言うべきだったかもしれない
…という気持ちがAの中で拭いきれなかった。
だが、ロディの退院日は明後日だと聞いていたから、
もう会えないと分かっている。
そんなモヤモヤしていた彼女の耳に
「Pi〜!」と聞き慣れた鳴き声が届く。
まさか、と思いながら期待を胸に振り向くと
松葉杖をつきながらこちらへやってくるロディの姿が。
「ロディ！！」
さっきまで曇っていた表情がパァっと晴れ渡り、
気がつけば体はロディの元へと駆けていた
「ろ、ロディ！退院は明日って言ってたよね？
どうして…！」
「そりゃあ(人2)がどーせ今頃、
俺に会えなくて泣いてるだろーなーと思って
医者に説得して無理やり来た」
「えぇ！？」
「冗談だっつの」
相変わらず冗談に引っかかるな、と
ロディに笑われ、むくれるAであったが
ロディと会えた嬉しさが先に立ち、
まったく怒りは感じなかった
「もう大丈夫だってよ、だから
暇だし見送りに来た」
「ありがとう、ロディ」
なんとか歩けるようになったその姿に
Aはホッとする。
そんな二人を気遣い、エンデヴァー達は
エスカレーターで先に搭乗口へと向かっていく。
轟がAとロディとの別れの挨拶を見送る横で、
爆豪は感動的な別れのシーンを予感してか、
胸クソ悪そうな顔をしていた
「あのままクタバってたら
伝説になれたかもしれねーのにな」
「なっ！縁起でもないこと言わないでよ…
私は嫌だよ、ロディが伝説になっても全然嬉しくない」
「はいはい」
「…ねぇ、ロディはこれからどうするの？」
「いつもの生活に戻るだけさ。
勿論どっちかじゃなく、どっちも手に入れてやる」
ロディの志に変化が見られた事に対し
Aは目を見開く。
簡単な事ではないだろう。
きっとそれはロディ自身もわかっている筈だ。
それでも、軽い口調のなかに
しっかりとした覚悟があった。
「…そっか」
そのとき、空港内にアナウンスが響いた。
《NNY二二四便の搭乗手続きを開始いたします》
「…もう、行かなきゃ。ロディ、あのね」
「もう二度とオセオンに来んなよ。
(人2)といるとロクなことがねえ」
ロディが肩をすくめ皮肉る。そうだよね、
私といたせいで散々な目にあったもんね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無希(ナキ)(プロフ) - 坦々麺さん» また遊びに来てくださったんですね！！ありがとうございます！土下座)ロディに会えたら良いですね…大号泣不可避は間違い無いでしょうね…！映画で感じた感動からも、ロディの存在の素晴らしさを感じますよね！ (1月29日 21時) (
レス) id: f7eb5ad982 (このIDを非表示/違反報告)
坦々麺(プロフ) - 映画を見返してて思わずまた見に来ちゃいました。ロディまた会える時が来たら大号泣不可避ですね (1月21日 23時) (レス) @page18 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
無希(ナキ)(プロフ) - メイさん» 全部読んでくださったんですか！？貴重なお時間なのに遊びにきてくださって大変ありがたき幸せです…！ありがとうございます、まだまだがんばりますぞー！温かいコメント本当にありがとうございました！ (11月19日 16時) (レス) id: 35a497e8fb (このIDを非表示/違反報告)
メイ - すっごく面白くてこれ関連全部読んじゃいました、、、更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (10月30日 20時) (レス) id: befb0f92fd (このIDを非表示/違反報告)
無希(ナキ)(プロフ) - 神楽さん» うおおおお何回も読んで下さって、神楽様の貴重な時間を使って下さってありがとうございます！！！また面白いと言っていただけるよう頑張りますね！！暖かいコメント本当にありがとうございました！ (10月5日 20時) (レス) id: 35a497e8fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無希(ナキ)
| 作成日時：2023年9月24日 13時
