Dear.俺の最愛の人【やまけと】 (ページ9)

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I・K　8 ページ9

伊野尾side

「…そっか…」

俺が最初にはいた言葉はこれ。

「伊野ちゃん？」

不安そうな顔させてごめん。

でも、急に留学なんて言われて気の利いた言葉を紡げるほど俺は柔軟じゃない。

「やっぱり、反対だよね…」

なんて言うのが正解なのか分からない。

グループとして活動してるんだから、反対すべきなのかもしれない。

でもさ…

俺はちょっと前までJUMPの中でも目立たなかった。

それは圭人も同じ。

今の俺は単独でレギュラー番組も持たせてもらえるようになった。

お茶の間にも知ってもらえている…と思う。

圭人はいいやつだ。

優しいし、控えめで、メンバーが大好きで。

でも圭人の良さって大多数はしらない。

留学は、戻ってきたときJUMPのメンバーとしてはもちろん、岡本圭人という人間を知ってもらうための話題になることは間違いないと思う。

「圭人。」

「なに？」

「俺は、留学に反対なんてしないよ。

圭人が決めたことだし、圭人が成長して、何かのスキルを身に着けたいことは伝わってきたからさ。」

なんだかまとまりのない言葉になってしまった…

「伊野ちゃん…」

「ただ行くんだったら生半可な気持ちではいかないでよね～俺ら8人で活動していかなきゃなんだから。」

圭人の泣きそうな顔、好きだけど、それを見るのは今じゃないと思って茶化した。

「うん、それは約束する。」

力強くうなずく圭人に頼もしいなって俺は思った。