七夕の願い【及川徹】 (ページ4)

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「徹！何そんなにいらついてんの」

『Aには関係ないこと』

「関係ないってなくない？
なに、はじめと徹、好きな人同じなの～？」

『うるさいなぁ』

「なに、図星？誰なのー！？
5組の茉里ちゃん？いつもはじめにくっついてる」

『うるさいってば！』

徹が振り上げた右手は鞭のようにしなり、私の頬にあたる

「痛っ…」

あまりの痛さに頬を押さえてしゃがみこむ

徹が声を荒げたことで、クラスの皆の視線が集まっているのが俯いているのに伝わる

『及川、てめえ、なにやってんだよ！』

隣のクラスが騒がしいことに
違和感を覚えたのだろう
はじめがこちらに向かって鬼の形相で歩いてくる

『A、ごめん、俺…』

『女に手をあげるほど最低な男はいねぇよ
A、立てるか？』

「大丈夫。少しほっぺが痛いだけだから…保健室行ってくるね」

『一緒についてくわ
及川、先生に伝達しとけ』

「はじめ、ありがとう」

徹は困った顔をしていた
自分が何をしたのか、わからないといった表情だろうか。