9 hermanos＞THIRD＜【雪男】

☆ ページ12

大介side



来るお遊戯会に向けて絶賛練習中の双子ちゃん。

2人とも一生懸命なんだけど、涼太さんはカミカミ(笑)

涼「んー？」

亮「りょぉた、いっしょやろ！
りょぉへい、しらゆきひめさんのよむね！」

涼「あぃがと！」


亮平が涼太の練習に付き合ってあげながら仲良くやってます(笑)

涼太は王子様のセリフをなんとか覚えようと必死なんだけど、これはびっくり亮平さん。

全員分のセリフ覚えちゃったみたい。

自分のセリフは一言しかないのにね。

今2人でお風呂に入りながら頭から全部お話してくれてます。

お陰でみんなストーリーの復習はカンペキ！

白雪姫とか童話ってさ、大人になってからは読まないもんね。

ちなみに亮平のお気に入りはやっぱりお姫様を起こすシーン。


亮「あのね、りょぉへい、ここすきなの！」


そう言ってにこにこしている亮平。

ベタなやつが好きなのかな。

可愛いなぁとお風呂の中の段差のところに座っている亮平を体を洗いながら見ると、涙目。

え、涙目！？

慌てて泡を流してお風呂に入って亮平を抱き上げた。


『どうしたの？』

亮「りょぉちゃんの、りょぉくんなの……」

『涼太が王子様なの、いや？』

亮「んーん、かっこいいの……でもね、ちゅーはめ……」


なるほど、王子様な涼太は好きだけど、キスシーンが嫌だと。

いや、保育園児にガチキスはさせないでしょ、多分。


『亮平、大丈夫だよ。ほんとにちゅうはしないよ？』

亮「ほんとぉ？」

『ほんとだよぉ』

亮「ならいっか」


急にケロッとした亮平はニコニコとアヒル隊長で遊び出した。

亮平は恋愛もののドラマとかアニメとか大好きでよく観るからね。

(辰「アニメは誰のせいだ」)

……俺かな？(笑)

4歳にして周りの子に比べてもピュアピュアな恋愛ごとには詳しくて。

だからこそ不安なんだろうな。

でも大好きな涼太の王子様姿は見たいってとこが可愛い。




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